2023.11.04

“打倒・精華女子”「体現できたかな」東海大福岡がリベンジ果たしウインターカップへ

福岡県予選1位としてウインターカップに出場する東海大福岡[写真]=佐々木啓次
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 11月3日、「ウインターカップ2023 高校バスケットボール福岡県大会」の決勝リーグ最終戦がアクシオン福岡にて行われた。

 女子はすでに決勝リーグで2勝を挙げた東海大学付属福岡高校と精華女子高校が、福岡県に割り当てられている2枠のウインターカップ出場権を獲得。最終戦ではその2チームが福岡女王の座を懸けて争った。

 試合は、伊東友莉香、アミ チャラウ(ともに2年生)らの連続得点などで東海大福岡が幸先良いスタートを切る。対する精華女子は、開始18秒で188センチのセンター、アキンデーレ タイウォ・イダヤット(1年)が負傷退場するアクシデントに見舞われた。それでも、谷千優、樋渡梨桜(3年)、清藤優衣(2年)らがアウトサイドシュートを武器にジリジリと追い上げると、第2クォーター序盤には東海大福岡を捉えることに成功した。

 だが、高さで劣る精華女子は、その後は東海大福岡に制空権を握られると、インサイドで失点。前半を終えて9点のビハインドを負うこととなった。

 一方、リードしている東海大福岡は、後半に入ってもオフェンスリバウンドに積極的にからみ、自ら攻撃チャンスを作ると、インサイドとアウトサイドでバランス良く加点。第3クォーターでは31点を奪い、一気にリードを広げた。第4クォーターこそ相手の激しいディフェンスの前に得点が伸びなかったものの、最後は91ー76で勝利。東海大福岡が大会連覇を達成した。

WC予選決勝を制し抱き合う東海大福岡の浜口と境[写真]=佐々木啓次


 今年は、6月のインターハイ県予選決勝で敗れてインターハイ出場はならなかった東海大福岡。同じく6月の九州大会決勝でも精華女子に敗れていたため、「インターハイ予選、九州大会と負けてから、ウインターカップ予選に向けていろいろと準備をしきてました」と、宮﨑優介コーチ。

 高さのあるアキンデーレ タイウォ・イダヤットに点を取られることはある程度は想定内としながらも、これまでの対戦ではアウトサイドシュートでの失点も敗戦の一因となっていたため、「同じやられ方を県大会と九州大会でやってしまったことは、ものすごく大きな反省点でした。このウインターカップ予選ではそういったことがないように臨み、(今回の対戦では)ディフェンスもオフェンスも組み立ててきたものが体現できたかなと思います」と、試合を振り返った。

東海大福岡の宮崎コーチと浜口[写真]=佐々木啓次


 夏の間は、「県の選抜事業で3年生が海外遠征、1年生は国体、(2年生センターの)チャラウも国体の成年チームに入れていただいたので、チーム全体での活動は少なかったのですが、それぞれの場所で得たものを共有しながらウインターカップへとつなげていこうと取り組んできました」(宮﨑コーチ)という東海大福岡。ウインターカップ県予選でも存在感を示した1年生たちの成長は、夏から取り組んできたことの成果だった。

「昨年、インターハイでもウインターカップでも先輩たちが結果を残してくれたのに、(今年は)インターハイ予選も九州大会もトロフィーを全部返す形になってしまったので、ウインターカップ予選では絶対に福岡県ナンバーワンになること。それに全国制覇するためには、まずは福岡県ナンバーワンにならないと、ウインターカップにつながらないとみんなで話をしてきましたし、そのために夏からずっと筋力や走力とかも鍛えてきました」と、語ったのはエースの浜口さくら(3年)。

 6月に味わった悔しさを糧に、見事リベンジを果たした東海大福岡。ウインターカップでは昨年はじめて達成したベスト4以上の成績を目指す。

苦しい場面での得点が光った樋渡(左)と強気のプレーでチームを引っ張った谷(右)[写真]=佐々木啓次


 一方、敗れた精華女子の大上晴司コーチは、開始早々のアキンデーレ タイウォ・イダヤットのケガに「予想外のことが起きて、準備してきたことを急に大きく変更しなくてはいけなくなりました」とコメント。

 ただ、10月にケガから復帰したポイントゲッターの清藤優衣(2年)が要所でさすがのプレーを見せるなど、冬に向けて明るい材料もあった。ウインターカップに向けては、「もう一回、チームを作って全国に挑戦したい思います」と、指揮官は気持ちを新たにしていた。

取材・文=田島早苗

BASKETBALLKING VIDEO