2023.12.20

「3本柱と総合力で頂点へ…“女王キラー”のV候補」大阪薫英女学院/ウインターカップ2023注目校

最後のウインターカップに挑む大阪薫英の島袋椛[写真]=伊藤大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 双子の木本桜子と桃子、そして島袋椛の3年生3人が中心となって引っ張る今年の大阪薫英女学院高校(大阪府)。

 キャプテンの桜子はオフェンスを組み立るポイントガードで、チャンスと見れば自らも得点を挙げる。一方の桃子は、ドライブにミドルシュートにと得点を奪うシューティングガードで、2人ともにディフェンスでの貢献も大きい。そして島袋は1年生の頃からスターターを担い、プレーの幅も広い。フィニッシュも多彩で軽やかな動きからシュートを沈めていく点取り屋だ。

 また、175センチのシューター松本莉緒奈(3年)もカギを握る存在で、岩井萌と下﨑好の2年生たちはチームに勢いを与える。スターターを務める1年生の三輪美良々も大会を経るごとに力をつけてきており、9月~11月の期間で行われた『U18日清食品トップリーグ2023』では小俣亜矢(2年)も台頭。トップリーグを通して「チームの内の競争も生まれてきた」(安藤香織コーチ)と、チーム力も向上している。

主力としてチームを支える木本桃子(左)と桜子(右)[写真]=伊藤大允


 だが、4位となったトップリーグを経て、優勝した京都精華学園高校(京都府)、準優勝の桜花学園高校(愛知県)、岐阜女子高校(岐阜県)と比べて「戦力は低いと思います」と、安藤コーチはキッパリ。特に53-72で敗れたトップリーグの桜花学園戦では、ハードな当たりや大阪薫英女学院の攻撃に対応した桜花学園のディフェンスに苦戦した。だが、「これが現実ということを知ることができました」と指揮官は、それをもプラスに捉える。

 現在地を知ったからこそ、冬に向けた取り組みは明確だ。その課題の一つに挙げられるのがオフェンスで、「いかにリズムよくオフェンスを終わらせられるか」と、安藤コーチは冬を見据える。

 それでも大阪薫英女学院が今大会の優勝候補の一角であることに変わりないのは、インターハイとトップリーグを制した京都精華学園に2度勝っているから。1度目は6月の近畿大会決勝で、2度目は9月末のトップリーグだった。その京都精華学園とは互いに勝ち上がれば準決勝で対戦する。もちろん、その前に幾多の強豪チームと戦わなくてはいけないが、最強の“京都精華キラー”は、オフェンスのレベルアップを図りながら、悲願の初優勝に向けて着実に歩を進めていく。

取材・文=田島早苗

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