Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
「技術や高さ、スピードなど、すべてにおいて相手の方が高いというのは前から分かっていましたが、それを改めて感じました。でも、自分たちもしっかりやれば戦えない相手ではないということも感じました」(谷口憂花/3年)
9月から11月にかけて行われた『U18日清食品トップリーグ2023』で8チーム中5位だったものの、初参戦となった札幌山の手高校(北海道)にとっては貴重な経験の場となった。
今年のインターハイでは3位。地元・札幌開催での銅メダル獲得は大会を大いに盛り上げた。しかし、指揮を執る上島正光コーチは、決して力があるわけではないと、チームを評する。実際、インターハイ優勝の京都精華学園高校(京都府)や同大会準優勝の桜花学園高校(愛知県)など強豪チームが集うトップリーグでは、「悪いところが全部出ている」と、リーグ戦途中に上島コーチは語っていた。
ただ、そういった課題や弱点などが明るみになることはウインターカップに向けた強化にとってはプラスともいえる。ましてや北海道という土地柄、もともと強豪校との練習試合が他チームと比べて少ないことを考えればなおのことで、上島コーチは「こんな経験は滅多にできないです」という。
チームの中心となるのは昨年からスターターで得点源の谷口や、3ポイントシュートを得意とするキャプテンの巻朋花、オールラウンダーの大山瑚南菜といった3年生たち。また、1年生ながら度胸満点のガード、高橋優希も得点能力の高い選手だ。
オフェンスのバランスはまだまだ改善点はあると指揮官はいうが、シュート力のある選手たちが揃っている今年の札幌山の手。当面の課題はディフェンスで、「(トップリーグを通じて)自分たちより高いチームに対してどうやって戦うかを経験できました。失点が多いことが課題。小さいチームですが、動き回って、どれだけ失点を減らせるかを意識してやっていきたいです」と、巻は冬を見据える。
昨年のウインターカップは森岡ほのか(日立ハイテククーガーズ)を擁して準優勝。今年も決して高さのあるチームではないが、トップリーグで得た課題と収穫を生かし、ウインターカップでは2011年以来の優勝を目指す。
取材・文=田島早苗