2023.12.25

安定した戦いで準々決勝へとコマを進めるも…桜花学園・井上眞一コーチは「ディフェンスが良くない」

選手たちを指示する桜花学園の井上眞一コーチ [写真]=バスケットボールキング
フリーライター

 12月25日、「SoftBank ウインターカップ2023 令和5年度 第76回全国高等学校バスケットボール選手権大会」は3日目となり、女子は3回戦が行われた。

 前回大会で3回戦敗退、今年のインターハイでは準優勝となった桜花学園高校(愛知県)は、京都両洋高校(京都府)と対戦。第1クォーター序盤は相手に先行を許したが、中盤に捉えると、そこからは田中こころ、黒川心音(ともに3年)らの得点でリードを広げていく。その後も、福王伶奈(3年)、深津唯生(2年)らで得点を重ね、30ー20と10点リードを奪って第1クォーターを終えた。

 第2クォーターでもガードを起点に得点を重ねた桜花学園。25点リードで迎えた後半はバックアップメンバーも躍動し、最後は103ー63と大差で勝利した。

 前日の2回戦でも鳥取城北高校(鳥取県)を相手に第1クォーターから優位に立った桜花学園は111ー60で勝利。ここまでは危なげない戦いといえる。

 25日の3回戦終了後、ミックスゾーンにてメディア対応を行った井上眞一コーチもここまでの戦いを「うーん、そんな悪くはないと思います」と、振り返る。だが、「3ポイントシュートは打たれる、ドライブされるはでディフェンスはザル。良くないと思います」と、ディフェンスに関しては厳しい言葉を発した。

 大会前の約1カ月をディフェンス面、特に「ディナイやドライブに対する守り」を強化したという井上コーチ。さらには、「声を出してコミュニケーションを取ること」といった様々な面でのレベルアップを図ってきた。

 1回戦の鳥取城北、2回戦の京都両洋ともに高さのある留学生センターを擁するチームであったが、桜花学園は193センチの福王が攻防において奮闘。京都両洋戦では4得点6リバウンドに終わったものの、鳥取城北戦で20得点11リバウンドをマークした。

 準々決勝以降も大型センターとのマッチアップに期待がかかる福王。井上コーチは、「リバウンドが強い選手が(相手に)多いので、リバウンドを取らせないということが一番重要だと思います」と、語る。

 その準々決勝は岐阜女子高校(岐阜県)と対戦。ウインターカップだけでなく、インターハイや東海大会などでも幾度となく熱戦を繰り広げ、しのぎを削ってきた相手だ。

 昨年の桜花学園は夏冬ともに全国大会では3回戦敗退とベスト16に留まっている。今大会はその3回戦を総合力の高さを見せて突破。昨年の悔しい思いは選手たちも忘れていないだけに、準々決勝では“東海対決”を制し、一気に頂点まで駆け上がりたい。

文=田島早苗