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精華女子、地元インハイでの悲願ならず…昭和学院を前に3回戦敗退「負けるべくして負けた」

昭和学院に敗れた福岡県代表の精華女子 [写真]=佐々木啓次
フリーライター

 8月6日、照葉積水ハウスアリーナで「令和6年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の女子3回戦が行われ、精華女子高校(福岡県)が昭和学院高校(千葉県)に敗戦。地元での日本一達成の夢は3回戦で絶たれた。

 前半に背負ったビハインドが最後まで響いた。精華女子は第1クォーターで14-19とされると、第2クォーターではケガから復帰して間もない188センチのアキンデーレタイウォ・イダヤット(2年)を投入。しかし、インサイドにボールを集めるだけの単調な攻撃になり、思うように得点を伸ばすことができなかった。一方、昭和学院には連続性のあるオフェンスからバランス良く得点を献上。前半を終えて13点差をつけられた。

 後半はゾーンディフェンスを敷いて反撃を試みたものの、相手に効果的な3ポイントシュートを決められてなかなか点差が詰まらず。それでも、最後の10分間は清藤優衣(3年)の連続得点で口火を切ると、守備ではオールコートプレスを仕掛けてミスを誘発。試合終了残り7.6秒で73-75と2点差まで詰め寄った。直後にはスティールから同点のチャンスが訪れたが、リングにアタックした清藤がダブルドリブルを宣告されて万事休す。あと一歩で同点、逆転できるところまで迫った精華女子だが、無情にも試合終了を告げるブザーのほうが先に鳴った。

「ディフェンスよりもオフェンスのリズムがなかなかつかめませんでした。強引にレイアップにいってしまったり、いいオフェンスをしてもシュートを落としてしまったりして、それが焦りにつながった前半でした。後半は、あと少し頑張ることができたら違う結果になっていたかもしれませんが、詰めの甘さが出たと思います。昭和学院さんも力があるチームですし、うまくやられてしまったという印象です」

後半はゾーンディフェンスを披露 [写真]=佐々木啓次

 そう振り返ったのは敗れた大上晴司コーチ。指揮官は追いかける展開を打開できなかった自身の采配にも悔しさをにじませた。

「私がもう少し早くいろいろな変化を与えてあげれば良かったですけど、ちょっと慎重になってしまったことがベンチの反省点です。もっと早く仕掛けていくべきだったなと……」

 昭和学院はアウェーのような雰囲気にも関わらず、前田珠涼(3年)を中心に合計11本の3ポイントを沈めて逃げきった。鈴木親光コーチは「今日は結果的に入っただけです。もう少しチームでデザインして3ポイントを打ってほしかった」とコメントしたが、前半の出来には及第点を与えた。

「今日の相手は地元チームでしたので、まずはその応援に負けないように試合に入りました。留学生のところで得点をつながれてしまいましたけど、前半はこちらもうまく攻めることができたと思っています」

 精華女子はキャプテンでエースの清藤が24得点、イダヤットが26得点と、総得点の大半を2人が稼いだ。しかし、犯したターンオーバーは「20」。総合力では昭和学院が上回り、清藤は今後へ向けさらなるチーム力向上をポイントに挙げた。

「今日の試合でもボックスアウトやコミュニケーションが徹底できていないですし、ターンオーバーも多いです。そういった細かい部分や一つひとつのプレーに対する気持ちを強くしていかなければいけないと思います」

 地元の期待には応えることはできず、結果はベスト16。大上コーチは悔しさを噛み締めるように取材に応じ、最後は勝者を称えた。

「負けるべくして負けました。相手の勝ちです」

惜しくも3回戦で姿を消した [写真]=佐々木啓次

文=小沼克年

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