2024.01.12

「夢はNBA選手になること」…メリノール学院中学の本田蕗以が目指すのはポール・ジョージ

バスケのスキルに加え、運動能力の高さも披露したメリノールの本田蕗以 [写真]=バスケットボールキング
バスケットボールキング編集部

「目標にしていた2冠を達成できて、すごくうれしいです」

 試合後のメディア対応で四日市メリノール学院中学(三重県)の本田蕗以ははじける笑顔を見せてくれた。

 1月8日、「京王 Jr.ウインターカップ2023−24 2023年度 第4回全国U15バスケットボール選手権大会」は最終日を迎え、男女決勝2試合が開催。男子決勝は四日市メリノール学院中学(三重県)と京都精華学園中学(京都府)が対戦した。

 四日市メリノールの白谷柱誠ジャックのバスカンで始まったこの試合、直後に京都精華の山崎燦吾、松崎大地に連続得点を許すも、本田蕗以の3ポイントシュートで逆転すると、ここからメリノールは一度もリードを許すことはなかった。最終スコア68-48で勝利。同時に昨夏の全国中学校大会(全中)との2冠を達成したのだった・

 本田は、キャプテンの中村颯斗、2年生の白石とともにU16日本代表選手として、全中の後にカタールで行われたFIBA U16アジア選手権2023に出場。190センチの身長を持ちながら外角からの攻撃を得意とし、3ポイントシュートも軽々と打ち抜く。さらに速攻で先頭を走り、ダンクを狙う運動能力の持ち主だ。

 大会期間中、メリノールの各選手が高い跳躍力を生かした飛び込みリバウンドは相手チームの脅威となったが、それも「蕗以に負けるな」と、ジャンプの練習を繰り返した結果が一因になったという。決勝で戦った京都精華学園の奥田翔ヘッドコーチは「絞りようがない」と舌を巻いたのが、コートに立つ5人の能力の高さだ。

 とりわけ、高い運動能力を発揮したのが本田だった。ドライブでの突破の際の速さとパワー、リバウンドに食らいつくジャンプ力とボールへの執念は周囲をうならせたほど。190センチのサイズを思わせない身のこなしは将来性の高さを示している。

 大会を振り返った本田は、「今まで準々決勝で対戦したNOSHIRO(BASKETBALL ACADEMY/秋田県)戦のように前半負けて後半を迎えることはなかったのですけど、後半立て直していいゲームができたことは初めての経験で良かったです」とポイントになった試合をあげて、大会を通してチームが成長したことに言及した。

「ディフェンスができれば負けないって、みんなで言いながら練習を頑張ってきて、今大会それができたかなと思います。前回の全中ではあまりプレータイムをもらえなくて、だけど今回は全中の優勝も経験できて、U16アジア選手権にも出られたので本当にいい一年になったと思います」

 7試合中5試合に出場したU16アジア選手権では平均7.3得点5.3リバウンドのスタッツを残した。「思ったより少しドライブから得点ができたと思います」と手ごたえを感じたものの、「当たりの強さだったり感じたことが多く、これから世界(の舞台)で戦いたいと思っているので、意識していきたいと思います」と語った。

 好きなNBA選手を尋ねると「ポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)です」と即答。「彼のようにディフェンスもできて、得点力も高いシューティングガードになりたいです」と話す本田の夢は「NBA選手になること」。

好きなNBA選手は「ポール・ジョージ」と答えてくれた [写真]=伊藤大允


 まだ身長が伸びているという逸材の今後に注目だ。

文=入江美紀雄