Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
1月7日、中学年代の日本一を決める『京王 Jr.ウインターカップ2024−25 2024年度第5回全国U15バスケットボール選手権大会』の女子準決勝が行われ、京都精華学園中学校(京都府)が大会2連覇へ王手をかけた。
初戦から危なげない試合運びで勝ち上がってきた京都精華学園は、この日も最終スコア94−54で圧勝。しかし、立ち上がりは北九州市立菊陵中学校(福岡県)のスピーディーな展開と思い切りの良いシュートに苦しみ、第1クォーターは18−18の互角だった。
「今までの相手よりもディフェンスのプレッシャーが強くて、最初は相手の波にのまれてしまいました。第1クォーターで同点だったのでちょっと焦る部分もありました」と試合後に明かしたのは、京都精華学園の石綿文(3年)。
チームには193センチの高さを誇るオディア カウェル リッツ(3年)がゴール下に君臨するが、石綿も185センチの長身の持ち主。両親も高身長という彼女は、「小さいころから背が高かったので、背の順はいつも一番後ろでした」と言い、「中2くらいに180センチになりました」と教えてくれた。
小学校4年生から始めたバスケットでは、当たり前のようにセンターポジションを務めてきた。だが、京都精華学園に入学後は、主に留学生とコンビを組むパワーフォワードとしてプレーしており、「自分がハイポストに立ってカウェルにアシストしたり、カウェルが外におる時は逆に自分がセンタープレーしたりすることを意識してます」と石綿は言う。
6日のダブルヘッダーでは2試合ともにダブルダブルをマークした石綿だが、準決勝では9得点8リバウンド。「まだまだゴール下でのミスとかターンオーバーがあるので、それをなくしていきたい」と反省したように、菊陵戦では味方との連携ミスや自分よりも背の低い相手にフィジカル負けする場面もあった。
「プレッシャーや体の当たりが強いチームと試合をすると体がグニャッてなってしまうので、もっとフィジカルを鍛えて、そういった状況でもシュートを決められるようにしたいです」
得意なプレーを聞くと、「得意なプレー……?」と石綿は顔を赤らめ、おどおどして口ごもってしまった。しかし、山本綱義アシスタントコーチは「怒ってばかりですけど、ジャンプ力もかなりついてきました。これからも育てたいと思います」と石綿の将来性を評価している。
目標とする選手像については、「今まではずっとインサイドのプレーをしてきたので、将来的には外のプレーもできるようにプレーの幅を広げていきたいです」と石綿。しかし、まだ中学3年生。そのような選手へ成長を遂げるのは少し先になるだろう。
発展途上のインサイドプレーヤーは、明日の決勝戦でもチームのために体を張り続ける。石綿は「今日の反省を生かして相手を波に乗らせず、しっかりと自分たちのプレーをして金メダルを取りたい」と意気込み、 Jr.ウインターカップ2連覇を見据えた。
文=小沼克年