2024.04.26
4月18日、Bリーグ・島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第181回が配信され、日本バスケットボール界の発展について語った。
男子バスケは長らく日本代表の苦戦が続いてきたが、昨年夏に開催された『FIBAワールドカップ2023』で3勝(2敗)を挙げ、パリ2024オリンピックの出場権を獲得。日本代表の奮闘ぶりが注目を集めると、Bリーグもかつてない入場者数を記録するなど、いわゆる“バスケ熱”の上昇を感じさせる事象が続いている。
島田チェアマンは、ビジネス的な観点のみならず競技レベルも年々上昇していることを強調し、昨夏のワールドカップ以降の変化について、「B1のレベルが突き抜けている感じを例えるならば、日本人スプリンターが100メートル10秒の壁を破った途端に何人も9秒台が出てきた、ということに似ているんじゃないか」と表現。体格差の影響が大きいバスケ界において、「どこかで『日本人には無理』という“高い壁”がそびえ立っている。去年のワールドカップで5戦3勝、かつ強豪国に対しても引くことなくやれた自信や手応えが、長らく日本のバスケ界にあった見えざる壁を打ち破ったような感じがある」と語った。
また、日本代表が示した成功への道筋は、代表入りしていない選手のパフォーマンスにも好影響を与えているとの見解を示し、ビジネス的な観点からも「盛り上がっている感じではなく、ワンステージ上がった感じがする。だいぶビジネスのスケールがアップする方向で動けている」と手応えを口にした。それでも、いわゆる男子バスケ界を取り巻く“フィーバー”に対しては、「ビジネスサイドも選手たちも冷静に向き合っている気がする」とも話し、現在取り組んでいるリーグ構造改革「B.革新」とバスケ熱上昇の関係について、次のように語った。
「B.革新を進めてきたのはワールドカップであれほどの結果で出ると誰もわかっていないとき。どんな状況であれ、この業界を発展させなきゃいけないと判断して、地に足をつけて中長期的な判断をしてきた。盛り上がっているだけじゃ、そんなにビジネス環境は好転しないんですよ。日本代表が勝ったから盛り上がるわけじゃなくて、持続的に良くなる未来を見据えないと、その業界に大きな資金は入らないですよ」
「大事なことは風が吹くか吹かないかではなくて、風が吹こうが吹かまいが、自分たちの経営努力でなんとかしていこうとすること。そういう努力をした時に風が吹いたらグッと前に進めるんじゃないか。いまリーグとクラブで頑張っているので、いい形で連係して、クラブの経営環境を好転させるように努めたい。そして、その風をもう1回でも2回でも吹かせられるように、少しでもサポートできればと思います」
昨夏のワールドカップで潮目が変わった男子バスケ界。リーグと各クラブは日本代表への注目度アップを“追い風”として捉えつつ、さらなる発展を遂げるため地道に奮闘を続けている。
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