2024.07.10

日本代表の“コー・キャプテン”渡邊雄太「歴代最強かどうかは結果が決めること」急きょ通訳するなど笑顔

和やかな雰囲気で行われた日本代表の記者会見。渡邊雄太は即席通訳も披露[写真]=伊藤大允
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 7月10日、日本バスケットボール協会(JBA)が、パリ2024オリンピックに出場する男子日本代表(FIBAランキング26位)の記者会見を行い、渡邊雄太らが目前に迫る大舞台への意気込みを語った。

 渡邊雄太は左ふくらはぎの肉離れの影響で先日行われた強化試合2連戦を欠場していたが、この日の朝に精密検査を受けたようで、「順調に回復しているので、オリンピックは問題なく出られるだろうということです」と現状を報告。会見中は渡邊雄太と隣席の八村塁を中心に笑顔も見られるなど、和やかな雰囲気でマイクがリレーされた。

 ハワイ出身の渡邉飛勇が記者の質問に英語で応答した際には、JBA職員が「富永選手、通訳をお願いできますか」と即席通訳を振り会場爆笑。無茶振りされた富永啓生も含め各選手が笑顔で視線を交わす中、渡邊雄太が「通訳します」とマイクを握り、急きょチームを救う場面もあった。

 2019年のワールドカップから2021年の東京五輪まで主要国際大会での連敗が続き、2023年のワールドカップ直前に“パリ五輪出場権を獲得できなければ日本代表を引退する”と不退転の覚悟を口にしていた渡邊雄太。昨夏は満身創痍のなか攻守に奮闘し、見事パリ五輪出場を決めた。

 苦楽を経験してきた男は「東京五輪のときも自信はあったんですけど結果的に3連敗で終わってしまった。あの時の経験やその前のワールドカップも含めたくさんの経験をさせていただいたので、その経験は今回の五輪に必ず生きてくると思っています」と、世界の高い壁に挑み続けた過去を振り返る。

 また、ワールドカップで歴史的な快進撃を見せたメンバーにNBAで活躍する八村塁が加わり、「歴代最強の日本代表」との声も上がっていることについては、「周りから歴代最強と言っていただけるのはありがたいことですけど、歴代最強かどうかは結果が決めることだと思っているので。この12人ではまだ何も結果を残していないので、しっかり結果を残したうえで、終わったあとに自分たちでそう言えるようなチームを作っていければなと思います」と、今大会にかける思いも滲ませながら語った。

 会見に同席した東野智弥技術委員長いわく、渡邊雄太は今回の日本代表において富樫勇樹と並ぶ「コー・キャプテン」を務めているとのこと。これまでもチームの先頭に立ってきた渡邊雄太は「(出場メンバーの)12人に選ばれたことを大変光栄に思っています。このチームでは経験がある者としてコート内外でしっかりとリーダーシップを発揮してチームを引っ張っていければと思っています」と、改めてけん引役としての思いも口にしていた。

 チームは今後、ヨーロッパ遠征を実施し、非公開の強化試合1試合と、日本時間19日27時から五輪初戦でも戦うドイツ代表(同3位)、21日27時からNBA屈指のスターであるニコラ・ヨキッチを擁するセルビア代表(同4位)と強化試合を実施。パリ五輪の予選ラウンドでは27日にワールドカップ王者のドイツ代表、31日に開催国のフランス代表(同9位)、8月2日に世界最終予選を勝ち抜いたブラジル代表(同12位)と対戦する。

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