2020.12.12

インカレ女子決勝は白鷗大vs東京医療保健大、リベンジに燃える両者が代々木第二で激突!

インカレの決勝に勝ち上がったのは白鷗大(左)と東京医療保健大 [写真]=小沼克年
フリーライター

東京医療保健大が4連覇へ王手

 12月7日に開幕した「第72回全日本大学バスケットボール選手権大会インカレ)」。大会5日目を迎えた11日、女子の部は国立代々木競技場第二体育館にて決勝進出をかけた準決勝2試合が行われた。

 ベスト4に残ったのは今季の関東1部リーグを制した白鷗大学インカレ4連覇を目指す東京医療保健大学、関東3位の筑波大学、同4位の拓殖大学と、関東の上位4チームが順当に勝ち上がった形に。第1試合では東京医療保健大が筑波大相手に前半から大量リードを奪って快勝した。

 ディフェンスからリズムを作り出し、そこから速い展開に持ち込むトランジションバスケを得意とする東京医療保健大は、試合序盤からその強みを発揮。赤木里帆(4年)を起点に全員がコートを駆け回り、インサイドでもジョシュアンフォノボ テミトペ(2年)、パレイのりこ(3年)が得点を重ねる。相手に中を固められれば外から岡本美優(2年)が3ポイントをマークするなど、第1クォーターで10点差をつけた。

 頻繁にメンバーチェンジを繰り返し、「常に100パーセントのエネルギーで戦える選手がコートに立つ」(恩塚享ヘッドコーチ)東京医療保健大は、第2クォーターではわずか3失点とさらにリードを拡大。オフェンスではやや停滞した時間があったものの、伊森可琳(2年)の3ポイントや赤木のバスケットカウントが随所に決まり、42-17で前半を終えた。

 第3クォーター、これ以上引き離されたくない筑波大は樺島ほたる(3年)、池田沙紀(2年)の3ポイントなどでスコアを動かす。しかし、東京医療保健大はリバウンドで主導権を握って追い上げを許さず。この10分間でも25-17と差をつけ、リードを35点にまで拡大した。

筑波大は樺島ほたる、池田沙紀(写真)が反撃を試みるが…[写真]=小沼克年


 最後は控えメンバー中心で臨み、余裕のある試合運びを見せた東京医療保健大。最終スコア81-48で危なげなく勝利し、5年連続となる決勝戦へと駒を進めた。

 相手を48点に抑えての快勝劇について、「選手たちが素晴らしいエネルギーを出して頑張ってくれました」と恩塚HC。11得点5アシストを記録した赤木も「出だしからエネルギッシュに試合に入れて、ディフェンスからブレイクを出すことができました。それで相手のリズムを崩せたかなと思います」と、この出来には手応えを口にした。

後半に突き放した白鷗大が2年連続の決勝へ

 準決勝もう1試合は白鷗大vs拓殖大。リーグ戦での対戦では103-78で白鷗大に軍配が上がっただけに、拓殖大のキャプテン・吉田舞衣(4年)は「リーグではディフェンスが後手になって外のシュートを決められすぎてしまったので、まずはそこを注意していきたい」と、リベンジに燃えていた。また、両チームにはシラソハナ ファトージャ(白鷗大4年)、バイ クンバディヤサン(拓殖大3年)という絶対的な大黒柱がおり、このマッチアップにも注目が集まった。

キャプテンの吉田舞衣(左から2人目)を中心に白鷗大に挑んだ拓殖大 [写真]=小沼克年


 試合は立ち上がりからシラソハナのシュートタッチが良く、白鷗大がリードする展開。神﨑璃生、今村優花(ともに4年)のガード陣も続いて21-7と早くも点差が広がる。拓殖大もクンバのゴール下、吉田の3ポイントで対抗するも、第1クォーターを終えて白鷗大が12点リードを得た。

 第2クォーターに入っても引き続き白鷗大ペースで試合が進む。拓殖大はスピードのある今村に手を焼き、同クォーター開始3分24秒に前半最後のタイムアウトを請求。その後は吉田の3ポイントやドライブで1ケタ点差まで詰めることに成功し、41-34でハーフタイムを迎えた。

 後半は佐古愛(3年)の3ポイントが決まり、拓殖大が早々に5点ビハインドとして追い上げムードに。それでも、そこから力を発揮したのは白鷗大の方だった。拓殖大の選手たちにファウルが混んでくると、神﨑と今村が果敢にリングへアタック。ルーキー・三浦舞華の活躍も光り、走る展開からテンポ良く得点を伸ばした。

 第3クォーターを24-14とし、一気に17点までリードを広げた白鷗大。食い下がりたい拓殖大は3ポイント攻勢に出るも、なかなかネットを揺らすことができず逆に点差が離れていく。第4クォーターでも白鷗大が終始主導権を握り、最終スコア87-60でタイムアップ。この結果により、インカレ女子決勝は2連連続で白鷗大vs東京医療保健大に決定した。

「ここ4、5年はずっと勝ったり負けたりですし、お互い手の内は分かっている。分は向こうの方があると思うので、挑戦者としてしっかり戦っていきたい」と、決勝戦へ向けコメントした白鷗大の佐藤智信HC。

 一方の東京医療保健大は、今季のリーグ最終戦で相まみえた際には1点差で敗れて優勝を逃している。最上級生としてチームを引っ張る赤木は、「リーグ戦が終わってから白鷗戦に勝つことだけを考えて練習に取り組んできた」と明かし、「自分たちの流れに持っていければ絶対に勝てると思うので、出だしからエネルギーを出して40分間戦い抜きたい」と意気込んだ。

 白鷗大は昨年のインカレ、東京医療保健大にとってはリーグ戦の雪辱を晴らす今年最後の大一番。試合は国立代々木競技場第二体育館にて16時ティップオフ。一体どんなドラマが待っているのか注目だ。

文・写真=小沼克年