2022.06.04

Wリーグの成長株から桜花学園の逸材まで…新たな女子日本代表候補8名を徹底紹介!

中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 5月7日から21日かけて行われた日本代表候補合宿。同月に実施されたオーストラリア遠征に向けて開催されたこの合宿には、日本代表候補初招集となる選手が8名参加していた。

 その8名とは、鷹のはし公歌、藤本愛瑚、野口さくら、岡本美優、平下愛佳、江村優有、朝比奈あずさ、福王伶奈といった面々。その内、鷹のはし、野口、平下、江村、朝比奈の5名はオーストラリア遠征にも参加し、世界有数の強豪国との試合も経験した。

 日本代表候補として新たに見出された彼女らは、どのような選手なのか。今後、日の丸を背負って世界と戦うことを期待される逸材を徹底紹介する。

文=田島早苗
写真=田島早苗、Getty Images、Wリーグ

▼鷹のはし公歌


生年月日:1995年7月10日(26歳)
ポジション・身長:SG/168センチ
所属:東京羽田ヴィッキーズ

 愛知学泉大学時代は全日本大学バスケットボール選手権大会(最高成績はベスト4)などで大きな存在感を発揮。全国のトップで活躍した。その後、東京羽田ヴィッキーズに加入すると、Wリーグ1年目の2018-19シーズンは、レギュラーシーズンの1試合平均得点で11.32点をマーク。チームの勝利にも貢献し、ルーキー オブ ザ イヤーを獲得した。力強いドライブからシュートを決めたかと思えば、3ポイントシュートでも積極的に得点を奪うシューティングガード。Wリーグでは4シーズン目を終えたところ。しっかりとキャリアを積み重ね、安定感も増してきている。

▼藤本愛瑚


生年月日:1999年10月1日(22歳)
ポジション・身長:SF・PF/179センチ
所属:ENEOSサンフラワーズ

 179センチの高さとパワーを持つ藤本だが、やわらかいシュートタッチから放たれる3ポイントシュートなど、外角シュートも得意とする。桜花学園高校時代は得点源として全国大会で奮闘。高校卒業後に入団したENEOSサンフラワーズでは、5シーズン目となった先シーズン(2021ー22シーズン)にプレータイムを大幅に伸ばした(25試合に出場し、そのうちの3試合がスターター)。試合では得点などオフェンス面での働きが大きいが、ディフェンスでも体の強さを武器に大型センターに立ち向かい、チームを盛り立てる。中心選手として場数を踏み、さまざまな経験を得た成長株だ。

▼野口さくら


生年月日:2001年2月24日(21歳)
ポジション・身長:PF/181センチ
所属:シャンソン化粧品シャンソンVマジック

 安城学園高校では2年生のときにウインターカップ準優勝を経験。181センチのオールラウンダーでドライブや3ポイントシュート、インサイドプレーなどと得点パターンは豊富だ。所属するシャンソン化粧品シャンソンVマジックでは4位となった2021-22シーズンで28試合中22試合にスターターとして出場。相手の大型センターをマークすることが多かったものの、執拗なディフェンスで奮闘し、攻防において気を吐いた。U16、17、19と各世代の日本代表にも選ばれ、これまでたくさんの国際大会に出場してきた。トップの日本代表でも持ち味を発揮したいところだ。

▼岡本美優


生年月日:2001年4月23日(21歳)
ポジション・身長:SG/178センチ
所属:東京医療保健大学

 桜花学園高校では今回同じく日本代表初選出となった平下愛佳(トヨタ自動車アンテロープス)が同級生。インターハイ、ウインターカップと優勝した経歴を持つ。高校時代から体の強さを生かしたパワフルなプレーに定評があったが、加えて、3ポイントシュートも沈め、さらにはステップを駆使してディフェンスを交わすなど柔らかいプレーも持ち合わせる。東京医療保健大学では下級生の頃から主力選手として、大学日本一に貢献。3年生となった今年も「第56回関東大学女子バスケットボール選手権大会」でチームを優勝に導くなど、大学界の注目選手の一人だ。

▼平下愛佳


生年月日:2002年1月14日(20歳)
ポジション・身長:SG/177センチ
所属:トヨタ自動車アンテロープス

 中学時代は地元の強豪クラブチームであるポラリスでレベルアップを図った平下。「都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」などで目を引く存在だったが、桜花学園高校に入学すると1年次からスターターとして全国の舞台に立つ。3年生ではキャプテンを担い、チームを日本一へとけん引。トヨタ自動車アンテロープスではプレータイムこそ多くはないが、勝負強いシュートを決めるなど、与えられた時間の中できっちりと仕事をこなしている。アンダーカテゴリーでの日本代表や、東京オリンピック3x3女子日本代表候補に選出されており、今後の期待値やポテンシャルは高い。

▼江村優有


生年月日:2002年12月4日(19歳)
ポジション・身長:PG/160センチ
所属:早稲田大学

 抜群の攻撃力を持つポイントガード。中学時代は「都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会」で長崎県代表として2連連続の準優勝に輝いた。同大会では高い得点能力を披露しインパクトを残している。その後進んだ桜花学園高校では自らの得点に加えて、ポイントカードとしてアシストでも味方のシュートを演出。現在の早稲田大学では得点面での役割が大きく、チャンスと見れば果敢にリングに向かい得点を量産している。「第56回関東大学女子バスケットボール選手権大会」でも得点王を獲得。類い稀なオフェンス能力を備える司令塔が日本代表として新たな挑戦に臨む。

▼朝比奈あずさ


生年月日:2003年10月20日(18歳)
ポジション・身長:PF・C/184センチ
所属:筑波大学

 桜花学園高校を卒業し、今年の4月に筑波大学へ入学したルーキー。桜花学園高校時代は、インサイドの要として得点やリバウンドを重ねた。1年生の頃から着実にスキルアップやパワーアップを図り、エースであり、キャプテンも務めた昨年は、接戦を制してインターハイ、ウインターカップの2大会を制する原動力に。筑波大学では、1年生ながらスターターを担い、「第56回関東大学女子バスケットボール選手権大会」ではチームの3位入賞に一役買った。184センチの高さを生かしたプレーや献身的な動きでもチームに活力を与える若手期待のセンターだ。

▼福王伶奈


生年月日:2005年8月11日(16歳)
ポジション・身長:C/193センチ
所属:桜花学園高校

 唯一の現役高校生プレーヤーとして日本代表候補入りを果たす。193センチという高さを持つ逸材は、ミニバスのときから全国大会を経験し、四日市メリノール学院中学校では「第1回 全国U15バスケットボール選手権大会」で優勝の立役者に。相手チームの留学生の高さにもひるむことなく、果敢にシュートを沈めた。攻防においてまだまだ荒削りなところはあるものの、桜花学園高校に入学してからは、着実に成長の跡を見せており、その可能性は未知数。速攻にも積極的にからみ、今はフックシュートも習得中という福王。向上心の高さも彼女の成長を後押ししている。

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