2018.03.19

Wリーグ プレーオフ セミファイナルに臨む4チームのキャプテンが集結。異口同音に「目の前の試合に集中するだけ」

セミファイナルに臨む4チームのキャプテンが集結
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 第19回Wリーグ プレーオフは3月17日、18日、秋田県立体育館において、クォーターファイナルが行われ、JX-ENEOS、シャンソン、デンソー、トヨタ自動車が勝ち上がり、3月24日、丸善インテックアリーナ大阪で行われるセミファイナルへの出場権を獲得した。この4チームのキャプテンが、3月19日、都内で行われた記者会見に臨み、それぞれが大一番に向けての抱負を語った。

10連覇を目指すJX-ENEOSとそれを阻止したいシャンソンが対戦

伝統の2チームを支えるJX-ENEOSの吉田亜沙美(写真右)とシャンソンの本川紗奈生


レギュラーシーズンの対戦成績 JX-ENEOS 3-0 シャンソン

 リーグタイ記録となる10連覇を目指すJX-ENEOSの吉田亜沙美キャプテンは「まずセミファイナルのコートに立てることがうれしい。これは選手それぞれの成長があったからで、強い気持ちを持って毎試合臨んでくれたから」と、チームの現状を語った。さらにリーグ制覇まであと2試合だが、「一発勝負のフォーマットであるとか、相手がどこであろうと関係ありません。40分間、JX-ENEOSのバスケに徹するだけ。チームで期待するのは同じガードの宮崎(早織)。自分の控えとなりますが、どれだけ休ませてくれるかがポイントになります。2人でゲームを作っていきたい」と決意を語った。

 セミファイナルでJX-ENEOSと対戦するのがシャンソン。言わずと知れたリーグ10連覇の記録を誇る名門であり、やすやすとJX-ENEOSにその記録に並ばせたくないはずだ。本川紗奈生キャプテンは、「毎年この時期になるとケガ人が出てしまいます。しかし、何とかセミファイナルに進めたので、JX-ENEOSをしっかり倒したいと思います」と、決意を語った。対戦のポイントに関して、「アシストの多い吉田選手を押えれば、得点が止まるはず。シーズンの終盤になって、内野(智香英)、谷村(里佳)という若手が自分たちのプレーをできるようになってきました。これに落合(里泉)、河村(美幸)と私が絡んでいければと思います」と、若手と主力の融合がカギを握ると予想した。

JX-ENEOSへの挑戦権を獲得するのはデンソーか、それともトヨタ自動車か

桜花学園高校の先輩後輩でもあるトヨタ自動車の大神雄子(写真左)とデンソーの髙田真希


レギュラーシーズンの対戦成績 デンソー 2-1 トヨタ自動車

 セミファイナルのもう1つのカードはデンソーとトヨタ自動車。開幕前に新戦力が入り、ともにチームケミストリーの構築が今シーズンの課題だったが、プレーオフに間に合ったと言えよう。

 デンソーの髙田真希キャプテンは「新人が7名入って、全く新しいチームを作っていったシーズンでした。その中で5年目の稲井(桃子)、3年目の篠原(華実)、赤穂さくらが着実に力をつけてくれました」と、若手の成長を感じたようだ。トヨタ自動車との対戦のポイントは「一発勝負なので、出だしがポイント。どれだけ相手に自分たちのバスケをさせないようにして、反対に自分たちのバスケがやり切れるかが大切だと思います。特に大神さんが乗るとチームも勢いづくので、ここをしっかりと押えたいと思います。期待するのはポイントガードの稲井です。気持ちの入ったプレーを見せてくれれば、自分たちのバスケができると思います」と、胸を張った。

「新しいメンバーが多い中、セミファイナルに進出できたのは自信になります」と語ったのは、トヨタ自動車の大神雄子キャプテン。「セミファイナルでは自分たちのバスケがどれだけ長い時間表現できるかがポイントを握ると思います。期待したいのは(エブリンとステファニー)の馬瓜シスターズ。勝ってチームに誇りが持てるようになりたい」と、抱負を語った。

 吉田亜沙美、渡嘉敷来夢、大崎佑圭、宮澤夕貴の日本代表選手をようするJX-ENEOSが優勝争いをリードするが、今シーズンからWリーグのプレーオフでは一戦先勝方式のフォーマットに変更された点も気になるところ。一発勝負ゆえ、番狂わせの可能性が大きくなるのが、4人のキャプテンは「目の前の試合に集中することが大切」と異口同音に戦い方を語ってくれた。今週末、大阪で雌雄を決することとなる。

第19回Wリーグ プレーオフ『セミファイナル』『3位決定戦』『ファイナル』実施要項
■競技方法
☆セミファイナル:クォーターファイナル勝者4チームによるトーナメント方式(一戦先勝方式)
☆3位決定戦:セミファイナル敗者2チームによる(一戦先勝方式)
☆ファイナル:セミファイナル勝者2チームによる(一戦先勝方式)

■日程
☆セミファイナル:3月24日(土)
14:00~ デンソー(2位) vsトヨタ自動車(3位)
16:00~ JX-ENEOS(1位) vs シャンソン(4位)
※()内はレギュラーシーズンの順位

☆3位決定戦:3月25日(日)13:00~
☆ファイナル:3月25日(日)15:00~
※セミファイナル2試合、ファイナルはNHK-BS1にて生中継予定。インターネット放送「W-TV」では全試合をVOD配信(当日21時までにアップロード)、3位決定戦のみライブ配信

■会場
丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)

文=入江美紀雄

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