2019.10.24

トヨタ自動車アンテロープスに勝利した日立ハイテククーガーズが巻き返しを図る

トヨタ自動車との接戦を制して今季初白星を奪取した日立ハイテク
バスケ情報専門サイト

 開幕戦から3連敗となっていた日立ハイテククーガーズ。だが、10月19日の4戦目、トヨタ自動車アンテロープスから今シーズンの初白星を奪った。

「相手のセットプレーに対して準備してきたディフェンスをやること。それとオフェンスでは課題となっていた一人一人のボールの持ち時間を長くせず、味方を信じてパスを出すこと」(藪内夏美ヘッドコーチ)を意識して臨んだこの試合は、序盤から一進一退の展開に。互いに一歩も譲らず、前半はトヨタ自動車が僅か2点リードで折り返す。

 後半に入っても接戦の様相は変わらなかったが、トヨタ自動車へのタイトなディフェンスが機能した日立ハイテクが逆転に成功すると、そのまま先行。第3クォーターを終えて3点のリードを奪った。

 しかし、第4クォーター出だしにファウルが込んでしまった日立ハイテク。そこで与えたフリースローをトヨタ自動車に確実に決められると、開始約1分の間に同点に追い付かれてしまう。

 それでも、ここで崩れなかった日立ハイテクはトヨタ自動車に主導権を渡さず。残り1分半にはトヨタ自動車・山本麻衣に3ポイントシュートを決められて再び同点とされるものの、今度は石黒むつみの値千金の3ポイントシュートで再び日立ハイテクがリード。その後、トヨタ自動車の河村美幸にゴール下でシュートを決められたが、残り17秒で鈴木知佳がゴール下のシュートをねじ込み3点差。トヨタ自動車の最後の攻撃も守り切り、日立ハイテクが61―58で勝利を飾った。

「パスをつなぐ」(藪内ヘッドコーチ)をテーマに臨んだ試合で結果を出した日立ハイテク。翌日の2戦目は敗れはしたものの、序盤戦から星のつぶし合いとなっているWリーグにおいて「出遅れないように」と指揮官は先の戦いを睨む。

 粘りのディフェンスに加えてリバウンドやルーズボールなど泥臭いプレーで奪った一勝。「今日の試合で少しでも心が動いてくれる人がいたらうれしいです」とも語った藪内ヘッドコーチ。
 
 念願の1勝目をつかんだ日立ハイテクが、ここからどんな巻き返しを図るのか。今週末は福岡県を舞台に新潟と対戦する。(10月26日[土]/久留米アリーナ、10月27日[日]/大牟田市民体育館)

日立ハイテクの指揮を執る藪内夏美ヘッドコーチ

文=田島早苗