2021.10.18

【Wリーグ注目選手】三菱電機・渡邉亜弥「スティールからのアーリーオフェンスを増やしたい」

三菱電機の絶対的エースである渡邉亜弥 [写真]=バスケットボールキング編集部
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 10月16日より第23回Wリーグが開幕した。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。

 第17回は三菱電機コアラーズ渡邉亜弥。コアラーズ一筋、11シーズン目を迎えるエースは、抜群の得点力を持つポイントゲッターでもある。加えて、ディフェンスにも定評があり、攻防において欠かすことのできない存在だ。悲願の優勝に向け、今シーズンも先頭に立ってチームを引っ張る。

確率を上げるべく3ポイントシュートを強化中

――昨シーズンは、5位タイで終えました。※レギュラーシーズンは西地区3位。
渡邉 一昨シーズンに王さん(新朝喜)が引退し、その抜けた穴は大きいと感じていました。ですが、リーグ戦に向けて良い準備ができたことで、万全の状態でシーズンに入ることができました。しかし、プレーオフでは(セミクォーターファイナルの)シャンソン化粧品シャンソンVマジック戦で勝ちはしたものの、少しもたついたところがあり、(敗れたクォーターファイナルの)デンソーアイリス戦でも課題が残る内容での敗戦となってしまいました。

 個人では、コンディションがあまり良くなく、ケガと向き合いながらのシーズンでした。だから今シーズンはケガをしないという目標が最優先だと感じています。

――今シーズンに向けて取り組んできたことはどういったことですか?
渡邉 体の面ではトレーナーと相談しながら、インナーの部分を特に強化してきました。

 プレー面では3ポイントシュートの強化をしていて、そこは自信を持ってできています。打ちやすいシュートフォームに変え、シュートのブレを作らないようにしています。

――今シーズンは川井麻衣選手がトヨタ自動車アンテロープスに移籍。一方でデンソーから笠置晴菜選手が入ってきました。

渡邉 川井選手の良さは高さとオフェンシブなところだったので、移籍し残念ですが、加入した笠置選手はディフェンシブな選手ですごくいいものを持っています。また、クォーターファイナルのデンソー戦では、要所で3ポイントシュートを2本決められたイメージがあり、オフェンスでも得点にからんでくると思います。笠置選手や見﨑南美選手、藤田和選手も頑張っているので、ガード陣とのコンビネーションは、試合を通して作っていきたいです。コアラーズの強みはディフェンスだと思うので、ディフェンシブなガードが来てくれたからこそ、ガードのプッシュから始まるようなチームができればいいなと思っています。

――チームのスタイルは大きくは変わらないですか?
渡邉 バスケットのスタイルはそこまで変わることはないです。ただ、練習ではスキルアップに向けたメニューが増えるなど、スタッフ陣がいろんな取り組みをしてくれているので、スキルの向上が試合にうまくつながるといいなと思っています。

――新たなシーズンでの抱負をお願い致します。
渡邉 若い選手が多いので、フレッシュな走るバスケットを強調しています。ベテランの私たちも負けないように、若さやフレッシュ感をコートで出せるように頑張ります。それから、昨シーズンは、ディフェンスからのブレイクの本数が減っていたので、スティールからのアーリーオフェンスの機会も増やしたいです。

三菱電機コアラーズの初戦は10月23日。トヨタ紡織サンシャインラビッツと対戦[@高崎アリーナ]

人生初の試合で見せたプレーとは?
 渡邉がバスケットを始めたキッカケは、3歳年上の姉のバスケットをする姿を見て、楽しそうだと感じたから。まだ小さいという理由で父親からミニバスチームの入団許可はすぐに得られなかったが、姉の最後の大会に、「まだ入部してない状態でしたが、人数が足りないという理由で」初めて試合に出場する。するとこの時、まだ本格的にバスケットを教わっていなかった渡邉が見せたのがスティール。スティールといえば渡邉の代名詞でもあり、Wリーグでは過去に3度スティールのタイトルを獲得、ベストディフェンダー賞も2度受賞している。
 人生初のプレーがスティールとは、その先を予想していたかのような偶然。渡邉本人は、「当時は小学校3年生で、ゾーンディフェンスをしていました。『ボールを追いかけろ』とコーチから言われていたこともあって、最初にいきなりボールをスティールして。でも、そのままシュートにいったらブロックされました(笑)。なんか感慨深いですね」と当時のことを振り返った。
 なお、現在は、そのバスケットの楽しさをを教えてくれた姉の子供たち、甥っ子と姪っ子を溺愛しているとか。

渡邉はディフェンスにも定評のある選手[写真]=Wリーグ

取材・文=田島早苗

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