【Wリーグ注目選手】ＥＮＥＯＳ・岡本彩也花「昨シーズン以上にタフに動きたい」

　10月16日より第23回Wリーグが開幕した。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。

　第23回はＥＮＥＯＳサンフラワーズの岡本彩也花。チームの主軸を担うガードは、昨シーズン、レギュラーシーズンMVPを獲得した。中でも戦友の渡嘉敷来夢がケガにより戦線離脱となった後半戦は、得点面でも大きく貢献。12年目となる今シーズンは、Ｗリーグ準優勝で終わった昨シーズンのリベンジに人一倍燃えている。

昨シーズンは「シュートを決めるという責任感を強く持っていました」

――昨シーズンは、皇后杯で優勝、Wリーグでは準優勝となりました。
岡本　シーズン途中にタク（渡嘉敷来夢）がケガで戦線離脱となり、チームとしては一番最悪な状況を向かえました。誰もが予想をしていなかったことで、みんながメンタル的にも大変だったと思います。

　でも、皇后杯は優勝することができ、リーグ戦ではファイナルで負けはしましたが、みんなが120パーセントの力を出して最後まで戦いました。やり切ったという感覚はあるので、ポジティブに捉えれば、一人ひとりが成長できたシーズンだったと思います。ただ、結果に対してはやっぱり悔しい…。だからこそ、次は絶対にタクを含めて全員で戦って優勝したいです。

――大黒柱の渡嘉敷選手を欠く中、Ｗリーグでは準優勝。その原動力は何だったのでしょう？
岡本　タクがいなくなったことで、一人ひとりが、自分がやらないといけないという気持ちが芽生えたことが大きいと思います。

　逆に言えば、負けた原因の中には、私たちがこれまでタクに頼っていた分、体力やメンタルの弱さ、甘さがあり、それがファイナルでは出たのかなと思います。課題が明確になたシーズンで、（渡嘉敷が抜けて）高さがない分、スピードで勝たなくてはいけないのに、勝てなかった。スピードとディフェンス面でまだまだ足りていないと感じました。

――昨シーズン後半は、岡本選手が先頭に立って引っ張っていました。
岡本　タクの分も点を取ろう、私が引っ張ろうと思っていて、1対1など自分から仕掛ける場面は多かったです。決めなくてはいけないシュートは決めるという責任感を強く持っていました。ただ、それも周りが合わせてくれたり、リバウンドを取ってくれたりしたからシュートを打てていたと思っています。

――個人としてはレギュラーシーズンMVPを獲得しました。
岡本　素直にうれしかったです。責任を持って臨んだことで、それがプレーにつながり、結果になったと思っています。ただ、同時に優勝という結果も一緒に付いきてほしかったですね。

――さて、今シーズンですが、チームのメンバー編成が大きく変わりました。
岡本　アース（宮澤夕貴/富士通レッドウェーブへ移籍）が抜けた穴は大きいですが、3番ポジションには藤本愛瑚や奥山理々嘉がいて、彼女たちもシーズンに向けて準備をしています。カギを握る存在ですが、みんなでフォローし合いながらやっていけば、うまくいくと思っています。シュートが入る2人なので心配はないです。逆に2人の成長がチームの底上げにもなると思うので、楽しみです。

　佐藤清美ヘッドコーチのもと、オフシーズンは土台作りとして、みんなで走り、フットワークを強化して、キツイ練習にも耐えてきました。その分、若い選手も体力がついています。

――リベンジとなるシーズンですね。
岡本　私が考えているのは、タフに動いてオフェンスもディフェンスもアグレッシブにやるということ。一度負けたら何かを変えないといけないと思っていて、そう考えると昨シーズン以上にタフに動きたいですね。

※ＥＮＥＯＳサンフラワーズの初戦は10月23日。山梨クィーンビーズと対戦[＠鐘山スポーツセンター総合体育館]

ここぞの場面でシュートを沈める岡本[写真]＝Wリーグ

取材・文＝田島早苗