2021.10.19

【Wリーグ注目選手】富士通・町田瑠唯「良いチームになるだけではなく、強いチームになれるように」

好パスからアシストを量産する富士通の町田瑠唯 [写真]=バスットボールキング編集部
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 10月16日より第23回Wリーグが開幕した。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。

 第19回は富士通レッドウェーブ町田瑠唯。東京オリンピックでの活躍は周知のところ。富士通でも日本代表と同様に司令塔としてチームをけん引している。また、今シーズンもキャプテンを務め、チームをまとめる役割も担う。11年目となったシーズンで、町田は悲願のWリーグ優勝を目指す。

「若い選手たちがセミファイナルを経験できたことは大きかった」

――3位タイとなった昨シーズンを振り返ってください。
町田 山本千夏さん、篠原恵さんのベテラン2人が引退して、経験の少ない若手選手が多いチームになった中でのシーズンでした。

 シーズン序盤はうまくいかないことも多かったのですが、レギュラーシーズン後半やプレーオフでは、やっとチームになってきたなという感覚はありました。チームとして5年ぶりのセミファイナルで、そこで勝てなかったことは残念でしたが、経験がまだ少ない若いメンバーたちがセミファイナルという舞台を経験できたことは大きかったと思います。

――個人としての出来を振り返ってください。
町田 正直、自分自身のプレーには納得はしていません。チームのことを考えすぎて自分のプレーにフォーカスできなかったところがありました。ただ、それは言いわけになってしまうので、もう少し器用にできたら良かったかなと思います。結構悩んだ1年でした。

――どうしても経験のある町田選手と篠崎澪選手には大きな負担がかかってしまうところはありました。
町田 それまでは、篠原さんと山本さん、それとシィさん(篠崎)と私の4人が中心となって、分担しながらチームをまとめていました。それが昨シーズンは、シィさんと私の2人だけになったので…。元々まとめることが得意ではないタイプの2人がいろいろなことを請け負ったこともあって(笑)、大変でしたね。篠原さん、山本さんの抜けた穴は大きかったです。

――その中で、今シーズンは移籍で宮澤夕貴選手と中村優花選手が加入しました。ENEOSサンフラワーズでのキャリアもある選手たちです。
町田 優勝経験のある2人が入ってくれて、練習の雰囲気もそうですし、チャンピオンとして経験したことを還元してもらえると思っています。プレーはもちろん、それ以外のメンタル面でもチームにいろいろと伝えてほしいと思います。

――今シーズン、個人的にはどういったプレーをしたいですか?
町田 今シーズンは、昨シーズンより自分のプレーに集中するというか、ちょっとワガママになるくらい自分のプレーをレベルアップしていきたいと思います。もちろんポイントガードでもあるので、チームのことは最優先で考えます。それこそ、私の性格上、チームのことを何も考えないと思っていても、考えると思うので(笑)。逆に『自分にフォーカスする』という意識を持たないとフォーカスもできないので、意識的に自分のプレーを考えることをしていきたいです。

――最後にシーズンへの意気込みを教えてください。
町田 今シーズン、移籍を含めて新しいメンバーが加入したので、昨シーズンとは違ったバスケットが見せられると思います。目標はまずファイナルに行くこと。そこに向けて昨シーズン以上に良いチームになりたいし、良いチームだけではなく、強いチームになれるように頑張っていきたいです。

富士通レッドウェーブの初戦は10月22日。東京羽田ヴィッキーズ対戦[@大田区総合体育館]

『料理キャラではないんです…』
 家で過ごす時間が増えた昨今、町田もしかりで、「インドア派だし、こういう時期なので、家でNetflix(ネットフリックス)やYouTubeを見たり、ちょっとだけ料理をしたりしています」と言う。ここは聞かずにはいられない。料理は何を?「恥ずかしくて言えないですね…」と、はにかみながらも答えてくれたのが「チキン系が好きなので、ヤンニョムチキンとか塩レモンチキンとか…」
 もっぱらcookpad(クックパッド)を見ながら作っているそうで、「本当に簡単なものしか作らないです。私は別に料理キャラではないんです!」と語気を強める。料理はコロナ禍だからこその時間の使い方のようだ。

アシストのみならず、得点力も高い町田[写真]=Wリーグ

取材・文=田島早苗
取材日=7月上旬

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