Bリーグ公認応援番組
『B MY HERO!』
10月16日より第23回Wリーグが開幕した。東京オリンピックや女子アジアカップに出場した選手をはじめ、それぞれが頂点を目指して挑む新シーズン。バスケットボールキングでは全13チームの注目選手にインタビューを行った。
第18回は三菱電機コアラーズの西岡里紗。今夏は、3x3女子日本代表として東京オリンピックに出場し、5位入賞を果たした。また、その後行われた「FIBA 女子アジアカップ2021」の日本代表として今度は5人制での国際大会にも出場。様々な経験を積んだセンターは、チームの大黒柱になるべく日々奮闘している。
――まず、5位タイとなった昨シーズンを振り返ってください。
西岡 前半戦はうまくいかなかったのですが、後半戦は自分のプレーが出せました。自分の中では波があったシーズンだったと思いますが、収穫や課題も見つかった内容の濃いシーズンでした。
――前半戦から後半戦に向けて強化したところは?
西岡 ペイント内の安定性を高められるようポジション取りの強化をしました。足や腕といった体の使い方やタイミングなどを古賀ヘッドコーチとともに練習しました。それが身につき、ボールがもらえなくても、私のところにボールを入れようとしたことで相手にファウルが起きるなど、相手に流れを渡さない、自分たちのペースで試合を展開できるといったことにつながり、泥臭いプレーかも知れませんがチームに貢献できるようになりました。
今まではシュートを決めたり、リバウンドを取ったりと、数字に残るプレーをしないといけないと思っていたのですが、相手からファウルをもらう、相手の体力を奪うといったような数字に残らないことも必要で、泥臭いプレーでチームに貢献できるのだと強く知ることができました。
――昨シーズンは、自分自身の出来が勝敗に影響するということも実感したのではないですか?
西岡 2シーズン前に王新朝喜さん(リオデジャネイロ・オリンピック日本代表)が引退しましたが、その大黒柱の穴を埋めるために、身長も幅もある私が一番頑張らないといけません。渡邉亜弥選手や根本葉瑠乃選手などチームの得点源でもあるアウトサイドの選手を生かすためにも、インサイドの頑張りは必要だと感じています。
王さんは偉大な先輩。最近は、自分の色で王さんの穴を埋める術を見つければいいと思っています。その考えに至るまではプレッシャーや焦りなどを感じていましたが、私にしかできないこと、3x3で培ったものを生かそうと、少し肩の力を抜くようにしています。
――今シーズンはどのようなプレーをしていきたいですか?
西岡 ひたむきに泥臭く頑張るということは変わらずに続けたいと思います。7年目のシーズンですが、チームは若くなったので、渡邉選手、根本選手、小菅由香選手、濱口京子選手に続いてチームを引っ張っていきたいです。逆に、先輩たちを引っ張っていくぐらいの強い気持ちを持って臨みたいです。
※三菱電機コアラーズの初戦は10月23日。トヨタ紡織サンシャインラビッツと対戦[@高崎アリーナ]
「父はケガが原因で引退したので、体作りの大切さやケガ予防のための栄養の摂り方などは子供の頃から教わっていました」と西岡は当時を振り返る。剛さんの「食べることに困らないように」という考えもあり、西岡家のダイニングテーブルは特注。ペダルを踏むとコンロが出てくるそうで、「そのコンロで、たこ焼きだったら一度に30個以上作れるたこ焼き機を置いて作ります。だから食べる量がすごくて(笑)」と笑う。
さらに西岡は父親ついてこうも語る。「父は、ただ単に栄養を摂るために食べるのではなく、楽しく美味しく食べようという考えを持っていて、例えば、パスタを作る際もソース作りにこだわり、美味しいパスタを作るなど『料理を楽しく作る、食べる』ということを幼少期のころから見て育ちました。それもあって私は食べることが本当に好きですね」
今の西岡の強い体を作っているのは幼少期からの食生活にあるのだろう。「父には、子供の頃から厳しく育てられましたが、今は、何でも相談ができ、的確なアドバイスをくれるすごく頼れる父です。LINEになると絵文字も使ってきてかわいいところもあるんですよ…」という西岡は、「大きな存在」という家族の支えを感じながら、新たなシーズンをタフに戦う。
取材・文=田島早苗