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第24回Wリーグは佳境へと入り、4月8日からは「京王 Presents Wリーグプレーオフ 2022-2023」のセミファイナルが武蔵野の森総合スポーツプラザにて行われる。セミファイナルのカードは『トヨタ自動車アンテロープス vs. シャンソン化粧品シャンソンVマジック』と『デンソーアイリス vs. ENEOSサンフラワーズ』となった。
3連覇を目指すトヨタ自動車は、レギュラーシーズンを22勝4敗の2位で通過。「4敗ではあったのですが、その中でもしっかりと勝ち切ることができた試合もあり、若いチームなので、試合を重ねるごとに成長を感じられたレギュラーシーズンになりました」と、山本麻衣は振り返る。
司令塔の山本麻衣やパワーフォワードの馬瓜ステファニーが軸となり、そこに190センチの梅沢カディシャ樹奈やガードの川井麻衣らが絡んでいく。アウトサイドシュートに定評のある平下愛佳やオールラウンダーの宮下希保、そしてケガから復帰したシラ ソハナ ファトー ジャなど、戦力は充実。「まだまだ成長過程なので、セミファイナルを通して成長した姿を見せたいですし、それがいい結果につながればいいなと思います」と、山本は意気込む。
セミファイナルで対戦するシャンソン化粧品については、「勢いに乗ると怖いチーム」と馬瓜。その馬瓜は、「受身の気持ちではなく、しっかりと向かっていくこと。(シャンソン化粧品は)アーリーエントリーの選手も加わって新しいチームになった印象ですが、相手ばかりを気にするのではなく、自分たちのことに集中して戦っていきたいです」と気を引き締め直していた。
一方のシャンソン化粧品は、セミクォーターファイナルを競り勝ち、クォーターファイナルの三菱電機戦では第3クォーター出だしに最大24点のビハインドを負いながらの逆転劇で4強入り。「昨シーズンと同じくセミファイナルでトヨタ自動車と戦いますが、昨年を超えるためのスタートラインに立ったと思っています。自分たちのやるべきことを徹底して、シャンソンらしいバスケットで勝ちたいです」と、キャプテンの小池は言う。
ガードの小池を中心に攻撃を仕掛けるが、アーリーエントリーで加入した188センチのイソジェ ウチェの存在は大きく、高さと跳躍力を武器にインサイドで奮闘。三菱電機戦でも17得点21リバウンドをマークした。また、「交代で出てくるメンバーが流れを変えたり、プレッシャーディフェンスをしてくれたりする」と小池が言うように、クォーターファイナルでは決勝点となる3ポイントシュートを決めた水野妃奈乃やディフェンスで相手のリズムを狂わす知名祐里らバックアップ陣もチームを盛り立てている。
「受け身にならずにチャレンジャーとして自分たちのバスケットを」(小池)というシャンソン化粧品。2005ー06シーズン以降、遠ざかっている優勝を目指す。
もう一つのセミファイナルのデンソーとENEOSのカードは、昨年の12月開催された皇后杯決勝と同カード。このときはENEOSが76ー66で勝利し、10連覇を達成している。
初優勝を目指すデンソーは、髙田真希、赤穂ひまわりの日本代表コンビを起点とするチームで、センターの赤穂さくらやアウトサイドでは本川紗奈生や渡部友里奈らも積極的な攻めを見せる。ルーキーながら司令塔を務める木村亜美やチームに勢いをもたらすガードの髙橋未来、さらにはレギュラーシーズン最終戦(対トヨタ自動車)で活躍を見せたバイ クンバ ディヤサンなど、楽しみな選手は多い。
チーム史上初となるレギュラーシーズン1位にも、「1位通過はとてもうれしかったのですが、内容の悪い試合もあったので、安心せずに直すべきところは直していかないと」と、赤穂は勝って兜の緒を締める。
また、リーダーの高田は、「スタートだけでなく、交代で出る選手が自分の役割を理解しながらコートに立ってくれた結果がレギュラーシーズン1位となったので、これをプレーオフにもつなげていきたいです」と、力強く語った。
ENEOSには2013ー14シーズン以降、白星がないだけに、まずはその壁を超えたいところ。「守るのが大変なチーム。頭を使いながら40分間戦わないと難しい試合になるとは思います」と、髙田は冷静に語る。レギュラーシーズン1位になった勢いと高いチーム力を思う存分コートで発揮したいところだ。
対するENEOSは、プレーオフでははじめてクォーターファイナルからの参戦となったが、富士通レッドウェーブとのクォーターファイナルでは、序盤から主導権を握る戦いで勝利。「試合の出だしは良かったのですが、途中我慢の時間帯が続いてしまい、どうなるかなとは思いました。でも、そこをみんなで我慢できたと思っています」と、宮崎早織は試合を振り返った。
また、渡嘉敷も、「試合を通してベンチメンバーの活躍が大きかったと思うので、(セミファイナルでも)後から出る難しさはあると思うのですが、ベンチメンバーの活躍に期待したいです」と、コメント。この言葉通り、富士通戦では、途中出場の藤本愛瑚と高田静らがどちらも2ケタ得点の働きで、苦しい時間帯にチームを救っていた。
セミファイナルで対戦するデンソーの髙田に対しては、「リツさん(髙田)のことは、守ります」と宣言していた渡嘉敷。「ここを勝たないと何の意味もないので、一戦一戦全力でやりたいです」と、気合いは十分だ。
ガードの宮崎も「ルーズボールやリバウンドなど当たり前のことを、試合に出たメンバー全員ができるようにしていきたいです」と、抱負を語った。
2戦先勝方式となるセミファイナル。ここからは東京の武蔵野の森総合スポーツプラザにて熱戦が繰り広げられることとなる。
文=田島早苗