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昨年の10月14日から始まった第25回Wリーグもいよいよファイナルを残すのみとなった。
4月6~8日の期間で行われたプレーオフのセミファイナル(2戦先勝)を経てファイナルへと勝ち上がったのは富士通レッドウェーブとデンソーアイリス。両チームのセミファイナルでの戦いを振り返ると、富士通はシャンソン化粧品シャンソンVマジックを相手に第1戦は30得点の宮澤夕貴、17アシストの町田瑠唯らの活躍で73-59と勝利。だが、続く第2戦では序盤に奪ったリードを守り切れず70-71で競り負けてしまう。しかし、第3戦ではスタートダッシュに成功すると、第2戦の反省を踏まえ、コートに立った選手たちが40分間高い集中力を発揮。最後まで試合の主導権を握り、93-72で2シーズンぶりのファイナル進出を決めた。
一方のデンソーは、セミファイナルでは前回覇者のENEOSサンフラワーズと対戦。第1戦では渡嘉敷来夢を中心に攻めるENEOSに対してゾーンディフェンスなどを駆使して失点を抑えると、攻めては髙田真希、赤穂ひまわりらで得点。最終的には4名が2ケタ得点とバランスの良い攻撃で1勝目を挙げた(77-58)。ファイナルに王手をかけて臨んだ第2戦は、後のないENEOSに開始約1分で0-5と先行を許したが、馬瓜エブリンらが踏ん張り、すぐにタイに戻す。赤穂(ひ)が24得点など、それ以降もコンスタントに加点したデンソーがENEOSを突き放し、82-66で2連勝を飾った。
レギュラーシーズンでの1試合平均得点は79.81と全14チームの中で一番の数字を残すデンソー。富士通は77.23点と全体5位ではあるものの、1試合平均の3ポイントシュート本数は8.46本と群を抜く。攻撃の特長こそ異なるが、ディフェンスでは1試合平均失点がデンソーが57.69点の1位で、61.81点の富士通は2位。どちらもディフェンスに定評があるだけに、相手の良さを消すような防御も勝敗を左右しそうだ。
この6人が自チームを引っ張る中、ファイナルでカギを握る存在として注目したいのはバックアップの選手たち。富士通は、セミファイナルの第2戦こそバックアップメンバーが出場している時間帯にシャンソン化粧品の追い上げに遭ったが、続く第3戦ではガードの赤木里帆をはじめ、センターの藤本愛妃や中村優花らが奮起。「(第3戦は)ベンチメンバーの活躍が大きいです。プレータイムは短くてもターンオーバーをしない、積極的にプレーする、ペイントアタックするということが大きかったです。今日のようにポジティブにプレーしてくれれば富士通の強さがもっと出てくると思います」と、BTテーブスヘッドコーチが言うようにファイナルに弾みを付けるプレーを見せた。
いずれにせよ、ファイナルはよりタフな戦いが予想されるだけに、2チームともにスターターからベンチメンバーまで総合力で挑みたいところだ。
富士通が勝てば2007-08シーズン以来16年ぶりの優勝。デンソーが勝てば初優勝で、昨年12月の皇后杯と合わせて2冠獲得となる。Wリーグのファイナルでは初顔合わせの両チーム。注目の第1戦は4月13日の14時にティップオフを迎える。
文=田島早苗