2019.05.01

日本代表候補初選出の川井麻衣「プラスになることをいっぱい吸収したい」

今年度の活動をスタートさせた日本代表において、初の候補選手に名を連ねた川井[写真]=兼子慎一郎
フリーライター

3月に幕を閉じた第20回Wリーグでは、チーム史上初となる準優勝に輝いた三菱電機コアラーズ。そのチームを司令塔として引っ張ったのが、4月11日に23歳になったばかりの川井麻衣だ。
東京成徳大学高校から三菱電機に入団して4年。ドライブを主体に得点を挙げることのできる攻撃型ポイントガードで、加えて、先のシーズンではパスやゲームメイクなどでも落ち着いたプレーを見せた。そして、Wリーグの活躍もあり、初の日本代表候補入り。170センチとガードとしては高さがあるのも魅力の1つといえるだろう。そんな川井に日本代表のことや憧れの存在で先日引退を表明した吉田亜沙美についてなど話を聞いた。

インタビュー=田島早苗
写真=兼子慎一郎

――日本代表候補に初選出されました。
川井 素直に嬉しい気持ちもあるし、三菱電機コアラーズからは(選出されたメンバーが)2人しかないので、「しっかりやらないといけないな」と、少し気が引き締まるような思いでいます。

――不安や期待などがあるのでは?
川井 最初は選ばれてビックリしたし、合宿ではスター選手がいっぱいいるし。でも、先輩たちが優しく声をかけてくれるので、日本代表の中でもしっかりと自分を出して、若い分、フレッシュにやりたいと思っています。

――三菱電機を背負っているという気持ちも強いですか?
川井 そうですね。三菱電機でやっていることをベースに置きながら、日本代表のバスケットも取り入れたいと思っているので、コミュニケーションをしっかりと取っていきたいし、プラスになることをいっぱい吸収したいです。

――Wリーグを準優勝で終えた昨シーズンは、充実していたシーズンだったと思います。
川井 序盤は勝ったり負けたりがあったのですが、(開幕から3週目の)デンソーアイリス戦に2連勝したあたりから、少し自分にもチームにも自信が出てきたし、波にも乗れて。毎試合、試合をするのが本当に楽しかったです。それに元々チームのことは好きだったのですが、(チーム内での)コミュニケーションがさらに増えたことで、“チーム愛”というのも大きくなっていきました。成績も良くなるし、個人的にも自信が付くしという、上手く行き過ぎというか(笑)、いいことがいっぱいあったシーズンでしたね。

昨シーズンは三菱電機で平均9.3得点4.6アシストをマークした[写真]=兼子慎一郎

――そういうシーズンを経ての日本代表活動なので、晴れやかな気持ちで臨めているのではないですか?
川井 いい流れのまま参加できているので、楽しみという思いが大きいです。

――日本代表に関しては新たな挑戦でもありますね。
川井 高校生以来、4年ぶりの男性のヘッドコーチだし、(母体のチームと)違うバスケットというのが久しぶりなので、まだ練習メニューとかを聞き取るのにあまり慣れていなくて(笑)。今はとりあえずはいろんなことを覚えている最中です。

――1次合宿を終えて2次合宿が始まったところですが、ここまでの手応えは?
川井 必死さもあるんですけど、新しいことや技術的に細かいことを教えてくれるので、個人的には楽しいです。でも、まだ練習前は「今日は何をやるんだろう」というドキドキした気持ちもありますけど(笑)。

――同じポイントガードのメンバーは、ワールドカップやオリンピックを経験した選手たちです。
川井 すでにトムさん(ホーバス・ヘッドコーチ)のバスケットを分かっているので、いろんな幅があるなと感じます。プレーに幅があるし、アイディアもあるなと。見ていて、「こういうこともしていいんだ」と気づかせてもらえるというか、だから見ているのも楽しいです。これまでは見て学ぶという経験が少なかったので、そういった意味でも今の環境は新鮮ですね。

――ポイントガードでいうと、憧れていた吉田亜沙美氏(元JX-ENEOSサンフラワーズ)が引退を表明しました。シーズン終了後の吉田氏のインタビューでは、川井選手のことを「日本代表に入れる位置に来ているし、面白い選手になっていくのでは」と言っていました。
川井 その記事を読んだのですが、まさか自分のことが出てくると思っていなかったのでビックリしました。でも、なんか……、素直に……めっちゃ、やる気出ました!(笑)。単純かもしれないけど、「頑張ろう」って。でもあまり欲張らず、「いろんなことを吸収して自分のものにしよう」ということと「積極的にやる」という気持ちを持って臨もうとは思っています。ただ、……うれしかったですね(笑)。

――今後、日本代表ではどんなところをアピールしていきたいですか?
川井 ポイントガードなので声を出していきたいです。「世界一のパッシングチームになる」ということをトムさんから聞いたときに、「ガードが迷ってはいけないな」と思ったので、初めての日本代表ですが、しっかり指示が出せるようにしたいです。それには私生活からしっかりしていないと。短期間ですが、そういうところから信頼を得られるように頑張っていきたいです。

「いろんなことを吸収したい」とさらなるレベルアップを目指す[写真]=兼子慎一郎

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