2021.04.28
「私が今回、日本代表に呼ばれた意味、何を必要とされていて、どういったプレーを求められているのかということを分かってはいるのですが、コートで発揮できていないというのがあって…。
今はトライアウトなので、アピールしないといけないのですが、少し自分の中では迷ってしまっている部分があります。このチームで私が求められていることをもっとしっかり表現していかないといけないと感じています」
第2次強化合宿を終えた女子日本代表。その第2次合宿の終盤に公式のリモート取材に応じた谷村里佳(日立ハイテククーガーズ)は、少し歯切れの悪い様子で合宿の感想を語った。
日立ハイテクに移籍1年目となった2020-21シーズンは、皇后杯でチーム史上初のベスト4入りの立役者に。第22回Wリーグでもベスト5(センターフォワード)に初選出されるなど大きな飛躍を見せたシーズンとなった。今回の日本代表選出にも納得の活躍ではあったのだが、自チームとプレースタイルが異なる日本代表では、谷村自身、思うように自分の持ち味、良さを発揮できずに苦しんでいる。
「オフェンス面に関しては、(日立ハイテクでの)インサイドというより、(日本代表では)外から3ポイントシュートを狙う形なので、日本代表で求められているバスケットと日立ハイテクでやっているバスケットが少し違うと感じます」と谷村。それでも、「ディフェンス面では、気持ちが大事だし、日立ハイテクでもリバウンドやディフェンスはしっかりやるようにと言われているので、やってきたことを意識すれば日本代表でも通用するのではないかと思っています」とも語る。
「5番ポジションなので、海外の190㎝や2m近い選手を守ることになると思います。その中で自分のマークマンにリバウンドを取らせないようにボックスアウトをすることは意識しています。私はシューターではないので、そんなにたくさん打つ機会はないですが、だからこそ、一本一本の3ポイントシュートの確率をしっかりと上げていいきたいと思っています」と今後の抱負を語った谷村。
選手の多くが目標とする日本代表というチームで、谷村は今、自分をどう生かすか、どのようにプレーで表現するか悩んでいる最中だ。だがそれは、振り返れば、日本代表で中心を担う渡嘉敷来夢(ENEOSサンフラワーズ)、髙田真希(デンソーアイリス)といった選手たちもみんな通ってきた道でもある。谷村が、葛藤しながらもがいた先に、明るい光が差し込むことを期待したい。
取材・文=田島早苗
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