2021.08.05

ホーバスHC采配ピタリ的中「林選手を信じ抜いて良かったです」

普段は冷静なホーバスHCも勝利の瞬間は興奮を抑えきれなかったようだ [写真]=fiba.com
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 8月4日、女子バスケットボールの準々決勝が行われ、日本代表は86−85でベルギー代表に勝利し、日本バスケ史上初となるオリンピックでベスト4進出を果たした。

 前半からリードはするものの、ベルギーのディフェンスに手を焼いた日本。第2クォーターに逆転を許すと、第3クォータにはリードを広げられる場面もあった。そこでトム・ホーバスヘッドコーチはディフェンスで仕掛けて次第に主導権を取り戻していく。それらが林咲希(ENEOSサンフラワーズ)の逆転シュートを呼び込んだと言えるだろう。采配の面でもホーバスHCの手腕は冴えていた。

 ホーバスHCの試合後のコメントを日本バスケットボール協会が掲載している。

 率直な感想を聞かれ、「(史上初のベスト4進出を決めて)最高です。ブザーが鳴ったときに、24秒になったのかと思いました。『まだまだディフェンスとリバウンドを徹底して』と言いましたが、終わってました。あの瞬間は絶対に忘れられないです。選手たちの顔も最高の表情をしていました」と、普段冷静な指揮官も勝利の瞬間は興奮状態だったようだ。

 ハードワークで知られるが、「選手たちによく言うのは、『女子日本代表の練習は厳しいです。だからこそ、勝つことが一番楽しい』」と選手たちに話をしているという。そして「楽しい練習というのはなく、楽しいことは勝つことであり、優勝することです。これまでアジアカップで優勝してきましたが、そのときのみんなは最高の表情を見せてくれました。でも今日の試合で勝利した後は、そのときより10倍以上も良かったです。このようなゲームがあるからこそ、この仕事は楽しいです。最高です」と偉業を達成した選手たちを手放しで称えた。

 日本が追い上げた場面では、「第4クォーターは相手にリードされて入りましたが、それまでにも細かいミスがあり、ターンオーバーも多かったのでそこを修正し、ディフェンスではトラップにも行かせました。残り5分くらいから、やっと自分たちのディフェンスを取り戻してくれて、そこから相手のリズムを崩すことができました」と、試合内での修正を行い、それが当たったことを示唆。

 また、逆転の場面を「最後の林選手のシュートは、打った瞬間に入ると思いました。残り4分くらいのときに、林選手の調子があまり良くないように見えて、交代した方が良いかなと思っていました。でも、いつでもどこでも決めてくれるので、林選手を信じ抜いて良かったです」と振り返った。

 ホーバスHCは「日本が小さいチームであることは私も選手自身もみんなが分かっているから、それは問題ではありません。技術などをうまく使えば、世界を相手にも勝つチャンスはいっぱいあります」と力を込める。オリンピックも残り2試合、メダルをかけた未知の戦いをホーバスHCがどのように指揮するのか、それにこたえる選手たちのプレーも楽しみだ。

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