2022.09.30

馬瓜ステファニーが大会を総括…「ボコボコにされて分かったことがたくさんあります」

チームの盛り上げ役も担っていた馬瓜。試合前から大きな声を出していた [写真]=Getty Images
フリーライター

FIBA女子ワールドカップ2022」のグループフェーズ最終戦から一夜明けた9月28日、予選敗退となった日本代表の選手数名がメディアの取材に応じた。

「一言でいうと『悔しい』になります。5カ月間みんなで練習をして、その結果がこうなったというのは、やってみないと分からなかった部分ではあるのですが、結果こうなったので、悪いところはしっかりと認めて改善していくしかないと思います」と大会を振り返ったのは、バックアップメンバーとして奮闘した馬瓜ステファニー(トヨタ自動車アンテロープス)。

 大会には「中へアタックするなど、相手の嫌なことをし続けることや、周りを助けられるディフェンダー、そしてリバウンダーとしてやっていくこと」を自身の仕事として臨んだ。

 実際、隙あらば果敢に切り込むドライブから攻撃のキッカケを作り、また最終戦となったオーストラリア戦ではバスケットカウントの3ポイントシュートなどでチームを盛り立てた馬瓜は、しつこいディフェンスでも仲間を支えるなど、マルチな動きが光った。

 今年6月出場した3人制の「FIBA 3×3 バスケットボールワールドカップ 2022」続いて5人制でのワールドカップ。「こうして日本代表に選んでいただいたことは光栄なことですし、大切な経験になると思います。世界のトップレベルで戦っている選手たちを見る機会はなかなかないので、この場でそういった選手たちとやり合える。ボコボコにされて分かったことがたくさんあります」と言う。

 その『ボコボコにされた』とは?

「個人の話にはなるのですが、相手が持っている“余裕”をどうにか崩していかない限りは勝てないですし、相手のリングに向かう気持ちなどは学ぶところは多かったなと思います」

 指揮を執った恩塚亨ヘッドコーチは選手自身が判断してプレーできるようなコーチングを行っている。馬瓜は、昨年の東京オリンピックに出場するなど、3x3女子日本代表としてキャリを重ねてきたが、3x3は試合中にコート内にコーチ陣はおらず、選手たちが判断しプレーを作り上げていく。『判断する』といった点では、共通しているとも言えるだろう。これについて馬瓜は、「自分で判断しなくてはいけないというのは今まで経験はしていましたが、(3x3は)山本麻衣選手(トヨタ自動車)など、お互いをよく知っている選手同士、長い期間やってきて培ってきたものが多いのかなと思います」と、言う。そのため、「今回は5カ月という長い期間ではあったのですが、5人制の中でお互いのいいところを引き出し合うことがなかなかできなかったというのはあったので、どうやったらお互いのいいところを引き出し合えるかを考えたいです」とも課題を的確に語った。

 収穫より課題の方が圧倒的に多かったと馬瓜本人が語る今大会。「マッチアップした選手から学ぶこと多かったです。(フランス代表の)ギャビー・ウィリアムズ選手の力強いドライブやチームを救うプレーをもっとできるようになりたいと思うし、勝つために必要なことが多いかなと思います」と、得たものは大きい。

 5年前の「U19女子ワールドカップ2017」にて日本の過去最高成績となる4位となった経験を持つ馬瓜。今回のワールドカップにはこのときに出場した選手も多く、これもまた、馬瓜にとっては大きな刺激となったようだ。

「他国の選手は、いろんな場所(チーム)で経験を積んで、もまれて、今ここに立っている。(約5年間で)あの選手たちは、たたきのめされながら上がってきたんだなと思ったし、成長している選手がいっぱいいたので、開いた差は大きいと思いました。でも、まだ私も23歳なので可能性はあると思っています。もっと視野を広げて、いい選手になりたいです」

取材・文=田島早苗

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