2023.09.23
オーストラリアのシドニーで開催されている「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2022」で女子日本代表が戦ったのは5試合。その全試合でスターターを務めたのが赤穂ひまわり(デンソーアイリス)だ。
今や日本の主力に定着した赤穂は、1試合平均で22.6分の出場。これは髙田真希(デンソー)に続いて2番目のプレータイムで、貢献度を表すEFFICIENCY(EFF)では、チームで1位となった。
それでも、グループフェーズの最終戦を終えた翌日、メディアの取材対応を行った彼女の口からは、反省や課題が多く聞かれた。
まず、大会での手応えについて問われた赤穂は、しばし考えたのちに、「合わせのプレーでの、カッティングが効いていたと思います。ガードが止められても、みんなが合わせて動く。その中でカッティングしていけば得点に絡める感じはしました」とコメント。だがすぐに、「でも、今回は手応えを感じることが少なかったというか、すべてにおいてこのままでは足りないなというのがあったので、全部をレベルアップしていかなければいけないと思いました」と発した。
また、今大会では積極的にドライブを試みる場面が多かったが、その話でも「ガードが止められている時には周りの人が攻めないと。もちろん私がそういったことをやっていかないといけないと思っていたのですが、その回数が少なかったので、もっと増やさないといけないし、精度を上げていかないといけないです」と言う。
さらにリバウンドでは、「オフェンスリバウンドは、取れていとる時は取れていたので、いき続けることが大事だと思っています。チームとしてディフェンスリバウンドを取られていた部分があったので、(今後は)もっと自分がリバウンドを取りにいって、周りを助けられたらと思いました」と、課題を挙げた。
そんな赤穂は、ディフェンスでの貢献も大きく、これまでと同様に今大会でも相手のポイントゲッターをマークすることが多かった。
「3番(スモールフォワード)ポジションの選手や、得点源の選手にマッチアップすることが多かったのですが、『みんな、うまいな』と感じました。ディフェンスは得意にしているところでもあるので、負けていられないなとも思いましたね」と、いろいろなタイプの点取屋との争いは、赤穂自身をさらに成長させる要因となったようだ。
「少ない時間帯ではありましたが、ディフェンスでアグレッシブにできている時間や、走ることができている時間帯はありました。いいところも出ていたとは思うけれど、それが少なかったかなと思います」と、チームについて語った赤穂は、こうも発した。
「(求められているプレーについて)みんな理解はできていますが、それを表現する時に、噛み合ってなかったことが大きかったと思います」
負けが先行し、最終的には1勝4敗で予選敗退。プレースタイルも変化した中で、選手たちは思うようなプレーができずに苦しんだ。その中で赤穂は、好不調の波がなく、黙々と自身の仕事を遂行した。むしろ、そうすることでチームを引っ張ろうとしていたかのようにも見えた。
そのことについて赤穂本人は、「でも、それだけでは足りないんだなと痛感しました。それに自分のやるべきことをやっていたとしても、その内容が足りていなかったと思います。無力だなと感じました」と静かに言う。
試合中は感情を激しく表現するタイプではなく、むしろポーカーフェイス。だが、チームプレーに徹する赤穂は、人一倍責任感が強い。
今大会での悔しさをバネに、10月から始まるWリーグをとおして、ひと回りもふた回りもたくましくなった姿が見られることを期待したい。
取材・文=田島早苗
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