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「当時は『なにくそ』だった」東京SR・野﨑零也のタフな原点…愛する息子の誇りとなり、Bプレミアの頂めざす【TOBI»RUSH】

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 アスリートが歩んできた人生の「キオク」の扉を次々と開き、そこからつながる「ミライ」への誓いや展望をアーカイブする連続インタビュー企画『TOBI»RUSH(トビラッシュ)〜キオクとミライをつなぐドア〜』。

 今回、その扉を開いたのは、東京サンロッカーズで背番号12を背負い、研ぎ澄まされたバスケットIQでチームに流れをもたらす野﨑零也だ。「今の自身を一言で表すとしたら?」という問いに対して、野﨑は少し照れくさそうな表情を浮かべながら「普通のアスリートかなと思います」と自然体で答えた。

 年齢を重ねる中で体力の変化を感じつつも、その分、状況判断力が若手時代よりも確実に身についてきたという。一見すると飾らないフラットな佇まいを見せる野﨑だが、その内面には少年時代から培われてきた強靭な忍耐力と、家族への深い感謝、そして『優勝』という頂点に対する特別な想いが静かに脈打っていた。

「なにくそ」と食らいついた日々…タフなプレーを支える原点と感謝

 野﨑がバスケットボールという競技に出会ったのは、小学1年生の時だった。5〜6歳ほど年上の2人の兄が先にバスケを始めており、練習に立ち会う親に連れられて体育館へ行き、コートの周囲を走り回っていたのがすべての始まりだという。

 もともと野球をやっていた父親は、野﨑にも野球をやらせたいという考えを持っていたようだ。しかし、幼い野﨑にとって、小・中・高とコートで躍動していた2人の兄は「すごく憧れの存在であり、追いつきたい存在」。彼らの背中を追いかけるようにしてバスケの道へと進むのは、自然な選択だった。

 放課後になると毎日体育館へと向かい、熱心に練習へ打ち込む日々が始まった。幼少期の野﨑に決定的な影響を与えたのが、今は亡き恩師の厳しくも愛ある指導と、息子たちのためにバスケットボールを猛勉強して自らコーチを買って出た父親の存在である。

「今では考えられない愛のムチを、コーチからもらい、親父からもらい、監督さんからももらって。当時はなにくそっていう感じだった」と野﨑は振り返る。当時は反発心や葛藤もあったが、恩師や父親からの指導に食らいつき続けた。

 プロの舞台に立った今、彼はその経験を穏やかに振り返る。「年を重ねるにつれて、すごくプラスになることばかりだったのかなと感じています。あの厳しさがあったから良かったなと思いますし、そのおかげで本当に忍耐強くなったのかなとすごく感謝しています」。現在のコート上で見せる粘り強くタフなプレースタイルの根底には、幼少期に叩き込まれた精神的な強さがある。

 また、探求心を持って競技に向き合う中で、彼が最も大切にしているのが「感謝を忘れない」という思いだ。プロとしてコートに立てているのは、決して自分一人の力ではない。「送り迎えをしてくれて、バッシュやバスパンを買ってくれたのは親。家族の支えがあるからこそバスケができている」。自身が参加するクリニックなどでも、子どもたちに対して「親や家族への感謝を持ちながらプレーしてほしい」と必ず伝え続けている。

「尊敬されるパパでありたい」——愛息への想いを胸に挑む頂点

 コートを離れた野﨑の心を占めているのは、現在4歳になる最愛の息子の存在である。「一人の人間としてどんな存在になりたいか」という問いに対して野﨑は「良いお父さんでありたい。尊敬されるパパでありたいなとすごく思っています」と柔らかい表情で答えた。

 息子もまたバスケットボールスクールに通い始めているが、野﨑は「息子のバスケには一切口を出さないように心がけている」と、温かく見守る父親としての距離感を保っている様子。試合が終わって自宅へ帰ると、息子から「今日はシュート入った?」と声をかけてくれるようになったという。

「こういう(プロの)舞台でやっているところを、息子の記憶の中に刻み込めるっていうのはすごくいいことだなと思います」。愛息からの応援を受け、父親としての頼もしい背中を見せ続けることが、今の野﨑にとって力の源のひとつとなっている。

 取材の終盤、支えてくれるファンや愛する家族にどんな景色を見せたいか尋ねられると、その眼光は勝負師のものへと変わった。彼が見据えているのは「優勝」というただ一つの目標だ。

「ポストシーズン進出はもちろん大事だと思うんですけど、その先の優勝が一番のゴール。勝負の世界である以上、勝つことにこだわりたいです。特に、Bプレミア初年度の優勝っていうのは歴史に名が刻まれるし、すごく記憶に残ると思うので、そこは狙いたいなと思っています」

 最後に、未来の自分へ向けたメッセージを求められた野﨑は、「健康に、病気もなく、一日一日を大切に過ごしてほしい。……過ごせよ! って言いたいですね」と、彼らしい飾らない力強い言葉で締めくくった。

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