2021.08.30

初黒星を喫した車いす男子代表HC「前半のマネジメントがうまくいかなかった」

キャプテンとしてここまで全試合にスタメン出場している豊島英(写真は26日のコロンビア戦から)[写真]=Getty Images
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 8月29日、東京パラリンピックの車いすバスケットボールの予選リーグが行われ、男子日本代表はスペイン代表と対戦し、最終スコア61-79で敗れた。

 無敗同士の対決に臨んだ日本は、第1クォーターを4点ビハインドで終えると、続く第2クォーターに点差を広げられ、18点差で試合を折り返す。第3クォーターは日本が追い上げる展開になるも、逆転には至らず61-79で今大会初黒星を喫した。

 試合後にメディア対応を行った京谷和幸ヘッドコーチは「しっかりペイントエリアを守って、リバウンドを取って早い攻撃に繋げていくということは、第1クォーターの途中くらいまでは成功していたかなと。やはり力強さと、最後のシュート力にやられました。アウトサイドはあまりやられた感じはしないんですけど、とにかく13番(アシエル・ガルシア・ペレイロ:27得点)のところでやられたなという印象です」と試合を振り返った。

 さらに「我々の前半のフリースローの確率も悪く、今までもずっとそうなんですが、ここを決め切れるチームになっていかないと世界上位のチームを倒すのは難しくなってくる」と敗因についても言及。

 また、スターティングラインナップには豊島英、赤石竜我、宮島徹也、藤本怜央、岩井孝義を起用し、これまでの先発から3人を入れ替えたことについて聞かれると「スペインの高さやベースラインカットに対して、僕が選んだコンディションの良い、ディフェンスのできる5人をスターティングラインナップにしました。誰が出てもできると思ったんですけど、やはりスペインのシュート力は大変だったかなと」と語った。

最終局面を迎える予選リーグ

 予選リーグ3連勝の立役者の1人である鳥海連志は、第2戦の韓国戦ではフル出場するなど、これまで毎試合35分以上のプレータイムを得ており、疲労の蓄積もあったようだ。そのため、この試合で鳥海は後半から投入され、20分の出場とプレータイムを制限。しかし、短い出場時間でも11得点をマークし、日本が後半に追い上げる原動力となった。

 このゲームプランについて京谷HCは「前半を凌いで、後半に鳥海を入れるというプランまではいったんですけど、なんせ前半の得点差が開いてしまった。前半での僕のベンチのマネジメントがうまくいかなかった」とコメント。「代わりにでた赤石が鳥海に劣るかと言われたら、そんなことはないです」と話し、敗戦の責任は自分にあると語った。

 さらに京谷HCは、強心臓と評価する鳥海について「オフェンスでもディフェンスでもスイッチを入れられる選手なので、リズムを生み出してくれます。明日も様子を見つつ、休ませながらできればいいかなと。しかし、トルコも強いのでそうも言ってられないだろうと思っています」とコメントし、決勝トーナメントに向けて、鳥海を筆頭に選手のプレータイムのマネジメントにも注目が集まる。

 予選リーグ最終戦となるトルコ戦については「スペインと違ってメンタル面でムラがあるチームなので、そういうところをついていきたい。スピードに関しては日本が上かなと思うので自信を持って、早い展開でゲームを組み立ていければいいかなと思います」と意気込みを語った。

 そのトルコ戦は、今日の14時45分にティップオフとなる。

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