2018.02.08

【NBA】最もトレードされた男はデイル・エリスとクリス・ギャトリングの8回!

キャリア平均15.7得点、3ポイント成功率40.3パーセントを誇るエリス[写真]=Getty Images
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 今季のNBAでは、例年オールスターブレーク後に設けられていたトレード・デッドラインが、2月9日午前5時(現地東部時間8日午後3時)となっており、比較的早い。

 メリットとしては、シーズン中のトレードによって新チームでプレーする期間が例年よりも長くなること、オールスターブレークによって約1週間、試合が組まれていないことで、マインドセットをする時間が作れる点が挙げられる。

 過去には、このデッドラインの日だけで30選手以上がトレードの対象となり、全米とカナダのトロントを横断したこともある。

 今年も小規模ではあるものの、ここ数日でいくつかトレードが成立したが、本番はこれから。明朝までに、オールスター級の選手がトレードになる可能性も十分あるだろう。

 ここでは、2月8日(同7日)に現地メディア『HoopsHype』に掲載されていた記事を紹介したい。名付けて、「NBAキャリアにおいて、最もトレードされた回数の多い選手TOP10」。ただし、TOP10といっても、回数だけで見れば、8回と7回のみとなっている。

■1位タイ:8回
デイル・エリス(元シアトル・スーパーソニックスほか)
クリス・ギャトリング(元ゴールデンステート・ウォリアーズほか)

オールスター選出経験のある実力者がトップ
 NBA史上最もトレードの被害に遭ったのは、シューターのエリスとビッグマンのギャトリング。前者はソニックス在籍時の1988-89シーズン、後者はダラス・マーベリックス在籍時の96-97シーズンにオールスター選出を果たしたものの、キャリアをとおして多くのトレードを経験した。

ポストプレーとジャンパーで得点を稼いだギャトリング[写真]=Getty Images

 とはいえ、エリスは所属した6チームのうち、4チームで平均2ケタ得点、ギャトリングも所属した8チームのうち5チームで平均2ケタ得点を残しており、チームの主力の1人としてプレーしてきた点を見逃してはならない。また、エリスは89年11月10日(同9日)のミルウォーキー・バックス戦でキャリアハイの53得点を挙げている。当時29歳だったエリスのプレータイムを見てみると…なんとゲームハイの69分間も出場していた。実はこの試合、5度の延長戦にまでもつれた長丁場の戦いだった(試合はバックスが155-154で勝利)。エリスは見事なシュート力と無尽蔵のスタミナを誇っていたのである。

■3位タイ:7回
サム・キャセール(元ミルウォーキー・バックスほか)
オーティス・ソープ(元ヒューストン・ロケッツほか)
マーカス・キャンビー(元デンバー・ナゲッツほか)
ジョー・スミス(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)
ジム・ジャクソン(元ダラス・マーベリックスほか)
ルーク・リドナー(元シアトル・スーパーソニックスほか)
ビリー・オーウェンス(元ゴールデンステート・ウォリアーズほか)
ダン・ディッカウ(元アトランタ・ホークスほか)

有能な選手が多い中、オフシーズンに4度もトレードされた選手も…
 ガードのキャセールとパワーフォワードのソープは、1994年にヒューストン・ロケッツで優勝を経験したメンバー。特にキャセールは翌95年にロケッツ、2008年にはセルティックスで計3度の優勝を誇る。また、キャセールは04年、ソープは92年にそれぞれオールスターにも選出された実績を持つ。

ロケッツで2連覇に貢献したキャセール(中央)は、96年夏にバークリー(左)とのトレードでサンズへ移籍[写真]=Getty Images

 “走れるビッグマン”キャンビーはディフェンス、特にブロックショットでインパクトを残した。ニューヨーク・ニックス在籍時の1999年、プレーオフでイースタン・カンファレンスの8位シードながらNBAファイナルまで駆け上がった“ミラクル・ニックス”の主軸として大きく貢献した。スミスは95年ドラフト全体1位指名、ジャクソンは92年ドラフト全体4位と、前途有望なキャリアをスタートさせたものの、何度もトレードを経験した。

主にカバーディフェンスから豪快なブロックを決めたキャンビー[写真]=Getty Images

 また、リドナーは7回のトレードのうち4回を、2015年に経験している。14-15シーズンをオーランド・マジックでプレーすると、メンフィス・グリズリーズ、シャーロット・ホーネッツ、オクラホマシティ・サンダー、トロント・ラプターズへとトレード。この中で契約を結んだのは、“最終地点”のラプターズのみ(その後に解雇された)。

 このように、NBAではトレードが頻繁に行われており、「トレードはビジネス」と割り切って考えている選手も多い。とはいえ、ここで紹介した選手たちは好成績を残しても比較的リーズナブルな契約だったこと、そして複数のチームで活躍したことを考えると、適応能力があったと言うことができるだろう。