2018.05.23

今日は何の日? 30年前、バードとドミニクが激しいスコアリングバトルを展開!

80年代を代表するスーパースターだったバード(左)とドミニク(右)[写真]=Getty Images
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絶好調ドミニクがセルティックスに襲い掛かる

 今からちょうど30年前となる1988年5月23日(現地時間22日)。当時NBAを代表するスーパースター、ラリー・バード(元ボストン・セルティックス)とドミニク・ウィルキンズ(元アトランタ・ホークスほか)が、プレーオフの舞台でスコアリングショーを繰り広げた。

 バード率いるセルティックスとドミニク率いるホークスは、同年のイースタン・カンファレンス・セミファナルで激突。

 第1シードのセルティックスは、第5戦を終えて第4シードのホークスに2勝3敗と、王手をかけられた。窮地に立たされたセルティックスは、第6戦でケビン・マクヘイル(元セルティックス)が26得点10リバウンド、バードが23得点11リバウンド、ダニー・エインジ(元セルティックスほか)が22得点14アシストをマークし、102-100で何とかモノにし、最終戦へと望みをつなぐ。

 ボストン・ガーデンで行われたシリーズ第7戦。互いに譲らぬ展開となり、84-82と、セルティックス2点リードで最終クォーターへ突入。セルティックスはホークスの粘りに遭い、残り10分26秒で両チームは86-86のタイスコアに。

 この日のドミニクはまさに絶好調。フィールドゴール33投中19本を沈める活躍で、ゲームハイの47得点を奪ってみせた。

ドライブやミドルレンジジャンパーを駆使し、得点を量産したドミニク[写真]=Getty Images

第4Qだけで20得点を挙げたバードがホークスを撃破

 しかし、セルティックスのエースも負けていなかった。ホークスを打ち負かすべく、バードがスコアリングマシンと化し、次々にショットの雨を降らせていく。

 残り10分3秒にジャンパーを沈めると、1分58秒間にこのジャンパーを含む9得点のスパーク。しかしドミニクも負けじと得点を重ね、残り5分57秒で99-99と一歩も引かなかった。

 するとバードはさらにペースを上げ、そこから11得点を奪取。残り1分43秒にはドミニクの頭上から3ポインターをねじ込んだ。ドミニクも得点を重ねていったが、勝利にはあと一歩及ばず。

 残り1秒で2点ビハインドだったホークスは、逆転を懸けてフリースローを意図的にミス。リバウンド勝負に出たものの、セルティックスのロバート・パリッシュがデニス・ジョンソン(共に元セルティックスほか)へティップしてゲームオーバー。最終スコア118-116、2点差を守り切ったセルティックスがホークスとの激戦を制した。

 バードはこの試合に挙げた34得点のうち、第4クォーターだけで20得点と大爆発し、セルティックスを見事シリーズ突破へと導いたのである。

バードは正確無比なジャンパーを軸に、第4Qだけで20得点を奪い、セルティックスを勝利へと導いた[写真]=Getty Images

 「すばらしい試合だった。あのときはバスケットが本当に広く見えたよ」と当時を振り返ったドミニク。「俺もミスしなかったし、彼もそうだった。俺がこれまでコートでプレーしてきた中で、最もすばらしいゲームだった。2人の男たちによる負けられない戦いだった」と誇らしい言葉を口にしていた。

 当時ホークスでACを務めていたドン・チェイニー(元セルティックスほか)は、元チームメート(バード)について「彼はボールを要求し、自らの手で決めてみせた。あれこそがスーパースターと呼ばれる男のプレーなのさ」とコメント。バードが魅せたプレーは、相手チームも称賛せざるを得ないほど、圧巻のパフォーマンスだった。

 シリーズの勝敗を決する最終戦で、両チームのエース同士が壮絶なスコアリングバトルを見せたこの試合は、プレーオフ史上においても名勝負の1つとして今後も語り継がれていくに違いない。

バード(右)とドミニク(左)によるスコアリングバトルは、史上有数の名勝負となった[写真]=Getty Images