2018.05.30

まもなく来日するダニー・グリーンのNBAキャリアをプレーバック!

キャリア9シーズン目を終えたグリーン[写真]=Getty Imagea
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 6月1日に行われるNBA公式ファンイベント「NBAファイナル2018パブリック・ビューイング・パーティ」(会場は恵比寿アクトスクエア)にて、現役NBAプレーヤー、ダニー・グリーン(サンアントニオ・スパーズ)が来日する。

 来日を直前に控え、ここではグリーンのカレッジ時代とNBAキャリアを振り返ってみたい。

■カレッジ時代

名門UNCで4年間プレーし、優勝も経験

 2005-06から08-09シーズンまでの4シーズンを名門ノースカロライナ大(UNC)でプレーしたグリーン。通算平均9.4得点4.1リバウンド1.8アシストを残し、3ポイントシュート成功率は37.5パーセントを記録。4年次には平均13.1得点4.7リバウンド2.7アシストに加え、3ポイントシュート成功率では41.8パーセントをマーク。

ノースカロライナ大4年次には、NCAAトーナメント優勝を果たしたグリーン[写真]=Getty Images

 毎年NCAAトーナメントにも出場しており、3年次にはファイナル4(準決勝)、4年次にはファイナルまで勝ち進み、ミシガン州大を下してチャンピオンに輝いている。この試合でグリーンは3ポイントシュートを2本決めて6得点に3リバウンド4アシストをマーク。当時のチームメートにはタイ・ローソン(現ワシントン・ウィザーズ)やウェイン・エリントン(現マイアミ・ヒート)、エド・デイビス(現ポートランド・トレイルブレイザーズ)らがいた。

■09年ドラフトでNBAデビュー

レブロンはかつてのチームメート

 2009年のドラフト2巡目全体46位でクリーブランド・キャバリアーズに指名されてNBA入りしたグリーン。09-10シーズンはキャブスの一員として計20試合に出場し、平均5.8分2.0得点を記録したものの、Gリーグでプレーするなど出番に恵まれず。当時のキャブスはレブロン・ジェームズやモー・ウィリアムズ(元キャブスほか)、シャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)らを擁し、リーグトップの61勝を挙げていたこともあり、ルーキーのグリーンがプレータイムをつかむには高いハードルだった。

ルーキーシーズンにチームメートだったレブロン(左)とは、のちに13、14年のNBAファイナルで対決[写真]=Getty Images

 翌10-11シーズンを控えた10月20日(同19日)にキャブスから解雇。同年11月18日(同17日)にスパーズと契約を結ぶも、約1週間後の11月24日(同23日)に解雇されてしまう。

■Gリーグにおける活躍が認められてスパーズ入り

11-12シーズンからスパーズに定着

 10-11シーズン、グリーンはGリーグの2チーム(リノ・ビッグホーンズとオースティン・トロズ)でプレーし、平均20.1得点7.5リバウンド2.5アシスト1.4スティール1.0ブロックを記録。3ポイントシュートも平均5.5本を放ち、そのうち2.4本を沈め、44.1パーセントという高確率を残すと、11年3月17日(同16日)にスパーズとシーズン終了までの契約を締結。

 ロックアウトによって66試合となった11-12シーズン。グリーンはユーロリーグのKKユニオン・オリンピヤ(スロベニア)で7試合に出場し、平均11.4得点4.0リバウンドを残している。

 そして迎えた11-12シーズン。グリーンはシーズン途中から先発に定着するなど66試合にフル出場。平均23.1分のプレータイムで9.1得点3.5リバウンド1.3アシストに加え、3ポイントシュート成功率43.6パーセントをマーク。プレーオフではカンファレンス・ファイナルまで勝ち上がった。

■NBAファイナルで3ポイント成功数の新記録(当時)

2014年にはNBAチャンピオンに輝く

 翌12-13シーズン。グリーンは80試合すべてでスターターを務め、平均10.5得点3.1リバウンド1.8アシスト1.2スティール、3ポイントシュート成功率でも42.9パーセントという高水準を記録。スパーズはこの年、07年以来となるNBAファイナルへ勝ち進み、マイアミ・ヒートと対決した。

13年のファイナル。グリーンは50パーセントを超える驚異的な確率で長距離砲を沈めた[写真]=Getty Images

 スパーズはこのシリーズで、3勝2敗と王手をかけたものの、第6戦と第7戦に惜敗し、惜しくも優勝を逃してしまう。それでも、グリーンはファイナルにおけるシリーズ最多3ポイントシュート成功数を更新する活躍を見せた。第5戦に23本目の長距離砲を沈めたことで、08年にレイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか)が残した22本を塗り替え、シリーズ通算で計27本成功という新記録を樹立。このシリーズでグリーンは55.1パーセントという驚異的な確率を記録。

 記録更新について、グリーンは現地メディア『the Sun-Sentinel』へこのように語っていた。

 「僕はバスケットボールをプレーすることに焦点を置いているだけ。僕は記録に追いつくためにプレーしているわけじゃない。僕が気にかけているのはチームを手助けすること、そして良いプレーで勝利に貢献することなんだ」。

 とはいえ、初出場のファイナルという大舞台で、これほどまでに高確率かつ継続して3ポイントシュートを決めてきた選手はそう多くはない。中でもグリーンは2度のファイナルで計12試合に出場し、ファイナルにおける通算3ポイントシュート成功率で歴代5位(52.2パーセント)を誇っていることは称賛に値する。

 ちなみに、グリーンが保持していた記録は2016年にステフィン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ)が32本を決めたため、現在は歴代2位の本数となっている。

 翌13-14シーズン。スパーズはヒートとのファイナルで4勝1敗と見事リベンジ。フランチャイズ史上5度目の優勝を成し遂げた。グリーンは平均9.2得点2.0スティールに加え、45.0パーセントの確率で3ポインターを決めていた。

■強豪スパーズの中心選手の1人として活躍中

昨季はオールディフェンシブチームに初選出

 14-15シーズンにはいずれも自己ベストとなる平均11.7得点4.2リバウンド2.0アシスト、1.2スティールと1.1ブロックも自己ベストに並ぶ好成績を残したグリーン。このシーズンまで4シーズン連続で4割以上の3ポイントシュート成功率を記録してきた。

14年4月11日(現地時間)に行われたサンズ戦では、7本の3ポイント成功を含むキャリアハイの33得点を記録[写真]=Getty Images

 直近3シーズンはフィールドゴール成功率、3ポイントシュート成功率ともに40パーセントを下回っているものの、ほぼすべての試合で先発シューティングガードを任されており、スパーズの中心選手として活躍を続けている。

 グリーンにはディフェンスという武器があり、これが強豪チームで長年スターターを務めている要因と言っていいだろう。昨季は自身初となるオールディフェンシブセカンドチームに選出されるなど、ディフェンス面の評価は高い。

リーグ有数のディフェンダーとして評価の高いグリーン[写真]=Getty Images

 今季のスパーズは、プレーオフ1回戦でウォリアーズに1勝4敗と敗れてしまったものの、大黒柱カワイ・レナード不在の中、既存戦力で最後まで競り合った。しかしながら、グリーンは全5試合に先発するも、平均4.2得点2.2リバウンド、フィールドゴール成功率と3ポイントシュート成功率はいずれも2割台と不振に終わってしまった。

 それでも、今季を終えて、グリーンのプレーオフ通算100試合出場は立派。スパーズにおけるレギュラーシーズンの通算成績でも、3ポイントシュート試投数(2,421本)と成功数(959本)でマヌ・ジノビリに次ぐ歴代2位を誇る。

 6月23日(同22日)に31歳を迎えるグリーンが衰えるにはまだ早い。来季以降もスパーズの主軸の1人として、ソリッドなディフェンスとタイムリーな3ポイントシュートを着実に決めていく姿を見ることができるはずだ。

NCAAに続き、NBAでもチャンピオンとなったグリーン[写真]=Getty Images

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