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3ポイントシュートの試投数が急増している現代NBA。10年前の2007-08シーズン、各チームにおける3ポイントの平均試投数は18.1本だったものの、昨季(17-18)は全30チームの平均試投数が20本を突破。
特に3ポイントを多用するヒューストン・ロケッツにいたっては、全体のフィールドゴール試投数(平均84.2本)のうち半分以上(平均42.3本)を記録するなど、コート上では数多くの長距離砲が飛び交っている。
3ポイントを得意とするパワーフォワードを“ストレッチ4”と称していたことが懐かしいと思えるほど、今ではセンターもこの3ポイントを放ち、オフェンスのレパートリーに加えている。
そんな中、『NBA on TNT』でアナリストを務めるシャックことシャキール・オニール(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が、センターの選手たちへ苦言を呈した。
9月16日(現地時間15日)、現地メディア『Express』に掲載された記事の中で、シャックはこう語っていた。
「最初に言っておきたいのは、もし俺が現代に復帰したとしても、3ポイントを放つことはないだろう。(3ポイントは)ビッグマンがすることじゃない。彼らはジャンプシュートについて語っているだろうが、ヤツらはこの俺をディフェンスしなければならない。3つや4つのファウルで俺をガードすることなんてできないさ。俺はコートに出て、マッチアップ相手をこらしめるだけだ」。
現役時代、シャックは216センチ147キロの巨体でインサイドを制圧し、レイカーズで3連覇(00年から02年)を達成し、06年にはマイアミ・ヒートで自身4度目の優勝を飾った。
キャリア19シーズンをプレーしたシャックは、1,207試合(うち先発は1,197試合)に出場し、平均23.7得点10.9リバウンド2.5アシスト2.3ブロックをマーク。フィールドゴール成功率で10度もリーグトップに立ち、キャリア平均58.2パーセントを残したシャックは、全盛期には「人類でシャックを1対1でガードできる者は皆無」と言われるほど、圧倒的なパワーと見事なクイックネスを駆使してリーグを支配。
確かに、今のNBAにシャックのような支配的なビッグマンは皆無だ。ジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)やカール・アンソニー・タウンズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)といったリーグ有数のセンターと称される選手や、アンソニー・デイビス(ニューオリンズ・ペリカンズ)のような現役を代表するビッグマンでも、インサイド一辺倒でプレーする選手はおらず、ジャンパーや3ポイントまでカバーできる万能性で得点を奪っている。
その背景には、3ポイントを放つことによってエース格の選手にスペースが生まれ、その選手自身もドライブを仕掛けやすくなることがメリットとして挙げられる。
ディフェンス面においても、現代のビッグマンはピック&ロールや度重なるスイッチによって小柄な選手へ対応しなければならず、機動力も重視されていると言っていいだろう。
シャックとしても、現役時代にインサイドでは圧倒的な存在感を発揮していたものの、アウトサイドまで出ることができず、ハイピック&ロールには何度も手を焼いてきたことは否定できない。
もっとも、シャック自身は気にもとめていないようだ。
「彼らは俺の目の前で、ジャンパーを放ってくるだろう。だが俺はローポストで彼らを蹴散らすまでだ」。
1990年代中盤あたりから00年代前半あたりまでは、シャックのようなオールスター級のビッグマンを擁するチームの多くはリングに背を向けたポストプレーからオフェンスを展開することが顕著だった。
しかし、ポジションレスとなり、スモールボールを展開する現代のスピーディーなバスケットボールでは、シャックが現役時代と変わらぬスタッツを残すことができるかは疑問だ。リング下でボールを手にすれば高確率で得点することは可能だろう。だがダブルチームやトリプルチームを駆使してディフェンスを徹底すれば、シャックにボールが渡らないようにすることができるのではないだろうか。
もちろん、パワーでシャックに対抗できる者は皆無だが、7フッター(213センチ以上)が3ポイントからドライブまでこなす現代では、ディフェンス面でリスクを背負うことは確実だろう。
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