2018.11.06
10月28日(現地時間27日)、メンフィス・グリズリーズが、ホームのフェデックス・フォーラムでフェニックス・サンズとの試合を行った。
この日、グリズリーズはジェバン・カーター、ジャマイカル・グリーン、チャンドラー・パーソンズらを故障で欠き、サンズはエースのデビン・ブッカーが左ハムストリングの負傷で不在と、両チームとも万全の戦力とは言えないロースターで臨んだ。
ゲームはマイク・コンリーとマルク・ガソルを中心に序盤からグリズリーズがペースをつかみ、第1クォーターを26-18、第2クォーターでは42-25と大差を付ける。前半を終えてグリズリーズが68-43と25点の大量リード。
前半を終えてグリズリーズはガソルが12得点、コンリーが10得点、ウェイン・セルデンが10得点と、3人が2ケタ得点を挙げたのに対し、サンズは今年のドラフト全体1位指名のビッグマン、ディアンドレ・エイトンがフィールドゴール7本すべて成功させて14得点と奮闘するも、ショットがなかなか決まらない状況が続く。
後半に入り、サンズが7連続得点を挙げるなど、第3クォーターで28-19とし、グリズリーズを9点上回るも、第4クォーター序盤にコンリーやガソル、ジャレン・ジャクソンJr.らが加点し、グリズリーズが再び20点以上をリードする。
そして第4クォーター残り4分31秒、セルデンと代わってこの試合でアクティブリストに入った渡邊雄太がコートイン。ディフェンシブ・リバウンドを2本もぎ取ると、右ウィングから1オン1を仕掛け、トロイ・ダニエルズを相手にターンしてペイント内に入り込み、ファウルを誘って残り1分36秒にフリースロー2本を獲得。
First ever @NBA action for #2WayPlayer @wacchi1013!@MemphisHustle ↔️ @memgrizz pic.twitter.com/CfvDwAcuhk
— NBA G League (@nbagleague) October 28, 2018
公式戦としては初のフリースローという場面で、渡邊の左腕から放たれた2本のショットは鮮やかにネットをくぐり抜けた。その直後のポゼッションではサンズのターンオーバーからファストブレイクとなり、渡邊がアリウープを狙うも、チームメートとの息が合わずにターンオーバー。
それでも、試合終了まで出場を続けた渡邊は、2得点2リバウンドを記録。2004年に田臥勇太(現栃木ブレックス)がNBAデビューを果たしたサンズとのゲームで、日本人史上2人目のNBAプレーヤー誕生となった。
試合は117-96でグリズリーズが快勝し、今季成績を3勝2敗とした。ガソルが19得点8リバウンド3スティール、コンリーが18得点7アシスト2スティール、マーション・ブルックスが18得点、ギャレット・テンプルが15得点、セルデンが14得点をマーク。
敗れたサンズでは、エイトンがゲームハイの24得点に8リバウンド5アシスト、エリー・オコボが12得点、アイザイア・キャナンとジャマール・クロフォードがそれぞれ11得点を挙げたものの、この敗戦でシーズン成績は1勝4敗に。
試合後、『FOX Sports』のインタビューに登場した渡邊は、自身のNBAデビュー戦について緊張していたことを明かした。
「正直に言うと、緊張していました。コーチ(JB・ビッカースタッフHC)に自分の名前を呼ばれた時、本当に緊張していたんです。でもコートに入ってすっごく緊張していた僕に、チームメートやコーチが話しかけてくれました。彼らには本当に感謝しています。彼らのお陰で、僕は約4分というプレータイムでしたが、本当に楽しむことができました」。
今年7月にグリズリーズと2way契約を結んだ渡邊は、11月4日(同3日)から開幕するGリーグで、メンフィス・ハッスルの一員としてプレーすることとなる。「トレーニングキャンプやGリーグのチームで競い合っていますし、とても集中して取り組めています。キャンプも良かったと思っています。Gリーグについても、僕はとてもエキサイトしています」と今後に向けてコメント。
そして、日本人史上2人目のNBAプレーヤーとなったことで、NBA入りを目指している日本人プレーヤーたちへ力強いメッセージを残した。
「日本の若い選手たちにとって、NBA入りというのはとても難しいことです。でも僕は、日本人がこのレベルでもプレーできるんだということを証明したい。そして彼らには僕に続いてきてほしいです」。
日本のバスケットボール界にとって、歴史的な快挙を成し遂げた渡邊。現状はあくまでデビューを飾った段階であり、NBA定着にはまだ長い道のりが待ち受けているだろう。それでも、現地メディアへ謙虚かつ明確に自身の思いを語った渡邊には、今後も大いに期待したい。
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