殿堂入りPGジェイソン・キッドがニックスのムディエイとスミスJr.へレクチャー

昨年9月にバスケットボール殿堂入りを果たしたキッド[写真]=Getty Images

バスケットボールキング編集部

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フィズデイルHCが長年の友人キッドを招き、若手PGたちにアドバイスを送る

　3月7日（現地時間6日）、ニューヨーク・ニックスは同日夜に行われるフェニックス・サンズ戦を前に、サンズのホーム、トーキング・スティック・リゾート・アリーナでシュートアラウンドを行った。

　そこでニックスのデイビッド・フィズデイルHCは、長年の友人であるジェイソン・キッド（元ダラス・マーベリックスほか）を招いた。フィズデイルHC（1974年生まれの44歳）とキッド（1973年生まれの45歳）は、共にカリフォルニア州の出身で、高校時代に州タイトルを争った経歴がある。

　現地メディア『The New York Post』へ、フィズデイルHCは「私たちは高校時代から、長い間友人なんだ。私が彼をここに呼んだのは、このチームのポイントガード（PG）たちにアドバイスするうえで、（キッドという）NBA史上有数のポイントガードよりふさわしい人物がいるか？ということ」と言及。

今季からニックスで指揮を執るフィズデイルHC（左）と今季途中から加入したスミスJr.（右）[写真]=Getty Images

　昨年9月にバスケットボール殿堂入りを果たしたキッドは、キャリア19シーズンで通算1万2,091アシストと2,684スティールを記録。これはいずれもジョン・ストックトン（元ユタ・ジャズ）に次ぐNBA歴代2位にランクインしており、通算トリプルダブルの達成回数（107回）では歴代4位。

　193センチ92キロというサイズを誇るキッドは、キャリア平均12.6得点6.3リバウンド8.7アシスト1.9スティールというすばらしいキャリアを送ってきた。デビュー当初はシュート力に欠けていたものの、練習を積み重ねたことで、3ポイントシュートは試投数（5,701本／歴代7位）、成功数（1,988本／歴代9位）ともに歴代トップ10にランクイン。キャリアの中で弱点を克服してきた男でもある。

　この日はニックスでポイントガードを務めるエマニュエル・ムディエイとデニス・スミスJr.と共に約20分間過ごし、若手選手へレクチャーを行った。フィズデイルHCはキッドを招いて若手へレクチャーしてもらった内容についてこう明かしている。

「ポイントガードというポジションにおける基本的なことや責任感、どのようにして自身とチームメートたちへのショットを演出するか。あとはチームが困難な状況に陥る中でどのようにしてけん引していくかといったことだね。ジェイソンから学ぶことができるんだから、我々にとっては非常に大きなものだ」。

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— NEW YORK KNICKS (@nyknicks) March 6, 2019

キッドを見て育ってきたムディエイ、今後のプレーに好影響をもたらすか？

　特に喜びを露わにしていたのはムディエイ。高校時代をダラスで過ごし、キッドがマブスの一員として優勝を勝ち取った2011年のNBAファイナルを見てきたムディエイにとって、憧れのポイントガードと話をすることができたのは、6日（同5日）に23歳の誕生日を迎えた男にとって、サプライズのバースデープレゼントになったようだ。

「殿堂入り選手として彼がNBAで残してきた歴史は皆が知っているもの。彼がここにきて、僕とデニスへ話してくれたことにすっごく感謝している。彼が教えてくれたことをこの場で話すつもりはないけど、内容はゲームにおける数々のマネージメントの部分だった」。

2011年のNBAファイナルではディフェンスにおける貢献度も光ったキッド（右）[写真]=Getty Images

　ムディエイはキッドがニュージャージー・ネッツの絶対的なリーダーとして02、03年にNBAファイナルへ進出した全盛時や、大ベテランとしてマブスに初優勝をもたらした時のことを思い浮かべて話したという。

「チームメートたちを巻き込む方法や、あの身長でリバウンドを奪う方法やパスを、僕は見て育ってきた。今日、彼と話した内容の1つは、ディフェンス時に彼がどれだけ的確にパッシングレーンでプレーしていたかということ」。

　6日（同5日）終了時点で、ニックスはリーグワーストの13勝51敗、サンズはウエスタン・カンファレンス最下位の14勝51敗と両チームとも下位に沈んでいる。プレーオフ出場への道は絶たれたものの、ムディエイやスミスJr.のような若手は、レギュラーシーズン残り約20試合で自身の実力を発揮し、来季につながるパフォーマンスをコートに残したいはず。

　その点で、NBA史上最高級の司令塔キッドからアドバイスをもらったことは、大きな刺激となるに違いない。