2018.12.12

マブスのレジェンド、キッドがドンチッチを絶賛「彼はバスケットをよく理解している」

今年9月に殿堂入りしたキッドは、マブス史上唯一の新人王受賞者[写真]=Getty Images
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ルーキーシーズン終盤の大活躍で、ヒルと共に新人王を獲得したキッド

 今年9月にバスケットボール殿堂入りを果たしたジェイソン・キッド(元ダラス・マーベリックスほか)は、NBAキャリア初期と後期をマブスでプレーした。

 1994-95シーズン。21歳でNBAデビューしたキッドは、マブスの先発ポイントガードとして平均33.8分11.7得点5.4リバウンド7.7アシスト1.9スティールをマーク。シーズン当初はグラント・ヒル(元デトロイト・ピストンズほか)が新人王の最有力候補と評されていた中、キッドはシーズン後半で一気に評価を高めた。

 キッドはレギュラーシーズン最後の12試合で4度のトリプルダブルを達成。95年4月12日(同11日)のヒューストン・ロケッツ戦では、2度の延長の末にマブスが156-147で勝利。この試合でキッドは8本の3ポイント成功を含む38得点に11リバウンド10アシストをたたき出し、自身3度目のトリプルダブルをマーク。

 さらに、マブスはキッドが加入したことで、前シーズン(13勝69敗)から23勝も勝ち星を増やし、36勝46敗へとジャンプアップ。これが決め手となり、新人王をヒルと同時受賞した。

 その後キッドはトレードでフェニックス・サンズ、ニュージャージー・ネッツへと移籍し、リーグ最高峰のポイントガードとして所属チームへ勝利をもたらしてきた。2008年途中に古巣マブスへトレードで帰還したキッドは、11年のフランチャイズ初優勝に大きく貢献。

 193センチ92キロと、ポイントガードとしては強じんな肉体を誇ったキッドは、キャリア途中からポストプレーもレパートリーに加え、オールラウンドなプレーに磨きをかけた。通算トリプルダブル達成数は歴代4位の107回と、史上有数の万能型ポイントガードとして名を残した。

 キャリア初期はジャンパーに難があり、幾度も批判を浴びてきたが、地道に努力を続けたキッドは着実に精度を上げていき、勝負どころで決め切るクラッチプレーヤーへと成長。いずれもNBA歴代2位となる通算1万2,091アシスト、2,684スティールに加え、歴代9位の3ポイント成功数(1,988本)も記録している。

キッドはルーキーシーズンから着実にステップアップし、リーグ史上最高級のポイントガードへと上りつめた[写真]=Getty Images

ドンチッチが今季新人王を獲得できれば、チーム史上2人目の受賞者となる

 キッドの古巣であるマブスは、今季ここまでウエスタン・カンファレンス7位の14勝11敗と奮闘。直近10試合でも7勝3敗と好調を維持しているのだが、今季のマブスをけん引しているのは19歳のルーキー、ルカ・ドンチッチだ。

 ドンチッチはルーキートップの平均17.8得点に加え、6.7リバウンド4.3アシスト1.1スティールを記録しているだけでなく、ゲーム終盤にはクラッチプレーヤーと化し、マブスに勝利をもたらしている。

 そんな中、地元メディア『Dallasnews.com』に掲載された記事の中で、キッドがドンチッチを絶賛していたので紹介したい。

 「彼はパスをさばくことができる。本当にすばらしい選手だと私は思う。19歳という年齢を超越したプレーを見せているね。それに彼は、自身の振る舞いや言動をコントロールすることができている。バスケットボールというゲームをよく理解していると思うね。彼にはすでに、すばらしいバスケットボールIQが備わっているんだ」。

 キッドがここまで絶賛するドンチッチは、今季の新人王最有力候補。もし受賞することができれば、キッドに次ぐフランチャイズ史上2人目の受賞者となる。

 シーズン序盤から大混戦となったウエストのサバイバルレースで生き残り、マブスをプレーオフへと導くことができるのであれば、その可能性はきわめて高くなるに違いない。

得点に固執することなく、柔軟にパスを繰り出してチームメートの得点機会を演出できる点もドンチッチの魅力の一つだ[写真]=Getty Images

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