2019.04.29

レナードの大暴れで初戦を制したラプターズ、シクサーズのカギを握るのはシモンズか?

シクサーズとのシリーズ初戦で45得点の大暴れを見せたレナード[写真]=Getty Images
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シクサーズに約2分しかリードを許さず、両フォワードの活躍でラプターズ先勝

 4月28日(現地時間27日)、トロント・ラプターズとフィラデルフィア・セブンティシクサーズによるイースタン・カンファレンス・セミファイナル初戦がラプターズのホーム、スコシアバンク・アリーナでスタート。

 ラプターズは今季成長著しいパスカル・シアカムのジャンパーで先制すると、シクサーズがすぐさま反撃。ジミー・バトラーのレイアップ、トバイアス・ハリスの3ポイント、そしてベン・シモンズのショットで7-2とリードを奪う。

 しかし、シクサーズがこの試合で主導権を握ることができたのは第1クォーター序盤のほんの2分15秒のみだった。ラプターズはトップスコアラーのカワイ・レナードがダンクとジャンパー、さらにシアカムがフリースローやダンクをたたき込み、一挙9連続得点で11-7と逆転後は、リードを最後までキープ。最終スコア108-95でシクサーズを下し、初戦を制した。

 この試合で最も強烈なインパクトを残したのは、ラプターズのエースを務めるレナードだった。この日はフィールドゴール23投中16本(うち3ポイントは7投中3本)、フリースロー11投中10本をリングに沈めてレギュラーシーズンを含めたキャリアハイに並ぶ45得点。さらに11リバウンド2スティール1ブロックをマークしてシクサーズを圧倒。

「ゲームに出て、(流れを)つかみ取るようにトライしたんだ。僕らはたぶん、残り5分くらいで20点近くのリードを手にした。その時にはすでに、僕はベンチに目をやり、交代すべくコートから出ようとしていたよ」と試合後の会見でレナードが明かした。

 フィールドゴール成功率は約70パーセントと、シクサーズのディフェンダーを相手に次々と高確率でショットを沈めていったレナードについて、ラプターズのニック・ナースHCは「見ていて楽しかったよ。(オフェンスとディフェンスの)両エンドで文句なしのパフォーマンスだった」と絶賛。

 それでも、レナードは「僕にとって、個人成績はたいして重要じゃない」ときっぱり。「自分がすべきことをやり遂げて、ゴールに到達することができて最高さ。勝利することができて良かったよ。僕らは毎試合、勝利すべくトライすることにフォーカスしているからね。このチームは別に僕が50得点や40得点を挙げるためにプレーしているわけじゃない。僕らは皆、『ラプターズ勝利』と言えるような戦いをしているんだ」と自身の見解を述べた。

 ラプターズではレナードのほか、シアカムが15投中12本(うち3ポイントは4投中3本)のショットを決めるなど計29得点に7リバウンドをマーク。2ケタ得点を挙げたのはレナードとシアカムのみだったものの、両フォワードだけで74得点を奪う爆発でラプターズをけん引。

8割という驚異的な成功率で29得点を奪ったシアカムも勝利に大きく貢献した[写真]=Getty Images

打倒レナードへ闘争心を燃やすシモンズとバトラー、エンビードの復調もマスト

 一方のシクサーズでは、5本の長距離砲を沈めたJJ・レディックが17得点、ハリスが14得点15リバウンド6アシスト、シモンズが14得点9リバウンド2スティール、バトラーが10得点5アシスト。

 マルク・ガソルサージ・イバカというラプターズのビッグマンとの対決に注目が集まったジョエル・エンビードは、フィールドゴール18本のうち13本もミスする乱調で、計16得点8リバウンドと第1ラウンドは完敗。

 レディックはレナードについて「本当に目を見張る選手だね。彼はNBAの中でも自分自身でショットを生み出すことができるし、タフショットでも沈めることができる。僕らは彼とシアカムに対して何をすべきか理解すべき必要があることは明白」と語り、45得点を挙げたラプターズのエースに脱帽していた。

レナードへのディフェンスに自信があることを口にしたシモンズ[写真]=Getty Images

 そんな中、レナードへのディフェンスについて自信をのぞかせたのがシモンズ。208センチ104キロと恵まれた体格を誇る超大型ポイントガードは「個人的に、僕は試合の中で(レナードに対して)かなりいい仕事ができたと思ってる。でも相手はタフな選手、カワイだからね。フィジカルが強く、長さもあるし、自らショット機会をクリエートすることができる。だからこそ、カワイとマッチアップすることはタフなんだ」と明かしている。

 現地メディア『Yahoo Sports』によると、バトラーがマッチアップした24ポゼッションで、レナードはフィールドゴール6投中5本成功の計16得点をたたき出していた。ところが、シモンズがマッチアップした際には27ポゼッションでわずか10得点に抑えていたという。

 もちろん、初戦でレナードにしてやられたバトラーも黙ってはいない。29日(同28日)に現地メディア『The Athletic』へ掲載された記事の中で、「俺の仕事をやり続けるだけ。ほかのチームメートもいるからね。すべてのショットに対してシュートコースを塞ぐように努めるだけさ。彼がどんでもない選手なのはチームの皆が分かってる。俺たちはディフェンス面でもっとアグレッシブにプレーしなきゃならない」と語っている。

 30日(同29日)に行われるシリーズ第2戦を前に「これはあくまで1試合に過ぎない。シリーズはまだ終わっちゃいない」と語ったバトラー。シクサーズがシリーズをタイへと持ち込むことができるのか注目したい。

レナードに先手を取られたバトラー。大の負けず嫌いがこのまま終わるわけがない[写真]=Getty Images

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