2019.04.26

イースト準決勝でエンビードと対峙するガソル「快適なプレーをさせないようにしたい」

シクサーズとのイースト準決勝でエンビードと対決するガソル[写真]=Getty Images
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マジックとのシリーズでブーチェビッチを封じ込めたガソルとラプターズ

 イースタン・カンファレンス第2シードのトロント・ラプターズと第3シードのフィラデルフィア・セブンティシクサーズは、ファーストラウンドを勝ち上がり、4月28日(現地時間27日)から始まるカンファレンス・セミファイナルで激突する。

 両チームがプレーオフで対決するのは2001年のカンファレンス・セミファイナル以来初。当時はラプターズのビンス・カーター(現アトランタ・ホークス)、シクサーズのアレン・アイバーソン(元シクサーズほか)というスーパースターが壮絶なスコアリングバトルを繰り広げ、シクサーズが第7戦を制してカンファレンス・ファイナルへと駒を進めた。

 今年のラプターズではオーランド・マジックとの1回戦でチームトップの平均27.8得点に加えて6.6リバウンド3.0アシスト1.2スティールを挙げたカワイ・レナード、平均22.6得点8.4リバウンド3.0アシストをマークしたパスカル・シアカムという両フォワードを中心に、カイル・ラウリーマルク・ガソルサージ・イバカダニー・グリーンといったベテランが中心となる。

短いプレータイムながら、両チームトップの平均24.8得点でシクサーズをけん引したエンビード[写真]=Getty Images

 一方のシクサーズでは、シリーズ平均24.3分という短時間で24.8得点13.5リバウンド3.5アシスト1.0スティール2.8ブロックという大暴れを見せたジョエル・エンビードがペイントエリアに君臨。そして平均17.6得点8.8リバウンド4.2アシストを残したトバイアス・ハリス、平均17.2得点6.8リバウンド7.6アシスト1.2スティール1.2ブロックとオールラウンドな活躍を見せるベン・シモンズがおり、ウイングにはジミー・バトラー(平均15.8得点4.8リバウンド4.6アシスト2.0スティール)とJJ・レディック(平均13.6得点、3ポイント成功率42.4パーセント)が控えている。

 シリーズで注目したいのは、ラプターズのエンビード対策だろう。マジックとのシリーズで、ラプターズはレギュラーシーズンで平均20.8得点12.0リバウンド3.8アシストを残していたオールスターセンター、ニコラ・ブーチェビッチを平均11.2得点8.0リバウンド3.0アシストにスローダウンさせることに成功。

 26日(同25日)に地元メディア『Toronto Sports Network』へ掲載された記事の中で、ガソルはエンビードに対してこんな言葉を残している。

「どれほどすばらしい選手であろうと、できるだけ快適なプレーをさせないようにトライするだけ。フィジカルに立ち向かっていくよ。(1回戦で)ニコラに対してチームとしてやってきたことと同じようなものさ」。

 だがシクサーズとのシリーズでは、オールスターセンターのブーチェビッチではなくオールNBAチームレベルのエンビードとマッチアップするだけに、そう簡単にはいかないだろう。エンビードの周囲にも、高得点を奪ってゲームを支配できる選手を複数抱えるシクサーズはマジックよりも手ごわいことは疑いようのない事実である。

グリズリーズ在籍時にエンビードを2度もスローダウンさせたガソル

 両チームによる直接対決(ラプターズの3勝1敗)は、いずれもオールスターブレイク前に行われたため、シリーズの行方を占ううえで重要なものではないだろう。ガソルはトレードデッドラインでラプターズに加入してきたからだ。

 もっとも、メンフィス・グリズリーズ在籍時にガソルはエンビード擁するシクサーズと2度対戦し、1勝1敗という戦績を残してきた。この2試合に関しては、グリズリーズがガソルを中心にエンビードをオフェンス面で抑え込むことに成功している。

 昨年11月11日(同10日)の試合ではフィールドゴール15投中成功わずか4本の計14得点で6ターンオーバー、12月3日(同2日)の試合でもフィールドゴール13投中成功わずか4本の計15得点の4ターンオーバーと、2試合で平均14.5得点に抑え込んでいた。

今季序盤にエンビード(右)と対決したガソル(左)は、2試合平均14.5得点に抑え込んだ[写真]=Getty Images

 ラプターズのニック・ナースHCは、エンビードに対してガソルを1対1でぶつけることを明かしており「現時点で、私は(ガソルがエンビードを1対1でガードできると)自信を持っている」と同メディアへ言及。そしてこう続けた。

「彼はとてもフィジカルが強いし、スマートなディフェンダーだからね。彼らは(ガソルに対して)まずはどれほどのディフェンスなのかテストしてくるだろう。だが我々としても、シリーズをとおして彼1人で何とかなるものではない。少なくともガソルとサージによる共同作業になるだろう」。

 ガソルはマジックとのシリーズで平均25.9分8.4得点5.4リバウンド2.8アシスト2.0スティールと数字上は控えめながら、フィールドゴール成功率53.6パーセント、3ポイント成功率53.8パーセントと高いショット成功率を残している。シクサーズとのシリーズでもエンビードを外へとおびき出し、バックコート陣へスペースを与えつつ、高確率でアウトサイドシュートを決めたいところ。

 はたして、シリーズ初戦で勝利を収めるのはどちらのチームなのか。カンファレンス・ファイナル進出を懸けたこのシリーズは、両ビッグマンによるマッチアップに注目していただきたい。

ラプターズはガソル(左)とイバカ(右)がエンビードを封じ、ラウリー(中央)らがドライブできるようにスペースを確保したいところ[写真]=Getty Images

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