2019.12.12

レナードがトロントで優勝リングを手に「優勝することができたことをうれしく思う」

ラウリー(左)からチャンピオンリングを受け取ったレナード(右)[写真]=Getty Images
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「ちょっとだけロッカールームに腰かけたんだ。そこで感心してつい眺めてしまった。全ての記憶を思い出したし、ハードワークが実を結んだことをあらためて実感したんだ」

 12月12日(現地時間11日)。昨季のNBAチャンピオン、トロント・ラプターズはホームのスコシアバンク・アリーナでロサンゼルス・クリッパーズを迎えた。

 試合はアウェーのクリッパーズが第2クォーターに37-14とラプターズを突き放し、最終スコア112-92で制して3連勝。

 ここ6戦で5勝をマークしたクリッパーズでは、昨季ラプターズの大黒柱としてファイナルMVPに輝いたカワイ・レナードが23得点に5リバウンド6アシスト2スティールと貫録のプレー。さらにルー・ウィリアムズが18得点6リバウンド8アシスト、モーリス・ハークレスが14得点7リバウンド、ポール・ジョージが13得点5リバウンドを挙げたほか、3選手が2ケタ得点を記録した。

クリッパーズのエースとなったレナードは、この日も冷静沈着なプレーで勝利へと導いた[写真]=Getty Images

 一方のラプターズでは、レナード移籍後にエースへと就任したパスカル・シアカムがゲームハイの24得点に3ブロック、ノーマン・パウエルが22得点、OG・アヌノビーが13得点7リバウンドを残すも、チーム全体でフィールドゴール成功率35.2パーセント、3ポイント成功率22.2パーセントとショット不調が響く結果に。

 もっとも、この日のメインイベントは試合前にあったと言っていい。レナードが優勝パレード以来初となるトロント凱旋となり、チャンピオンリングが授与されたからである。“MVP”チャントが会場で鳴り響く中、カイル・ラウリーからリングを手渡されたレナードは「彼(ラウリー)にジョークを言って、リングがすごく輝いていてまぶしいと言って見せたんだ。で、一緒に笑い合っていたよ」とコメント。

 ラプターズに在籍したのはわずか1シーズンだったものの、レナードは選手として最高の勲章であるチャンピオンとなり、冷静沈着かつ決定力抜群のエースとして歴史に名を残した。会場を埋め尽くした2万144人の大観衆が温かい声援を送るのも当然といえば当然か。

「たぶん、昨季の記憶が僕らの頭の中で駆け巡ったと思う」というレナードの言葉は、会場全体の思いを代弁していると言っていいものだった。

一際大きな手と長い腕で2万人を上回る大観衆へ感謝を述べたレナード[写真]=Getty Images

 試合を終えたレナードは、昨季について「最高の瞬間だった。全ての選手たちが一丸となって僕と一緒にチャンピオンシップを勝ち取ったんだ。僕にとっても、僕たちにとっても、そしてこの球団とトロントという街にとっても、(昨季は)スペシャルなシーズンだった。優勝できたことが本当にうれしいし、ありがたいことだった」と、ほんの半年前に幕を下ろしたシーズンについて振り返った。

 昨季ホームアリーナとしてプレーしていた会場で、「ちょっとだけロッカールームに腰かけた」と明かしたレナードは、そこで「感心してつい眺めてしまった。全ての記憶を思い出したし、ハードワークが実を結んだことをあらためて実感したんだ」と、ファンだけでなく選手やコーチ陣の心も動かしてしまうような粋な言葉で古巣について言及。

「彼はすばらしい働きでこの組織(の初優勝)を手助けしてくれたんだ」とラウリーが語ったとおり、たとえ在籍は1シーズンのみながら、多大な貢献をしたレナードは今後もずっとレコードブックとトロントに名を残していくこととなるに違いない。

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