2020.03.17
昨年の夏、オフシーズンにゴールデンステイト・ウォリアーズの退団を決意したケビン・デュラントは、サイン&トレードでブルックリン・ネッツへ移籍。この報道にリーグとファンに衝撃が走ったが、その後デュラントは『ESPN』の番組に出演し、昨季のドレイモンド・グリーンとの“とある口論”が理由で移籍を決めたと語っていた。
その口論とは、2018年10月14日(現地時間13日)のロサンゼルス・クリッパーズ戦でのこと。試合時間残り10秒を切った時点で106-106と同点の場面、クリッパーズのルー・ウィリアムズがジャンパーを外し、グリーンがディフェンスリバウンドを手にした。その際デュラントはボールを求めたが、グリーンは誰にもパスをせず1人フロントコートへと突っ込んだ。だが敵に囲まれてファンブルするとコートへ倒れ込み、結果的に残り時間を使い果たしてターンオーバーとなってしまったのである。
そうしてベンチへ戻ると、ラストポゼッションでのプレーに納得いかないデュラントはグリーンと顔を合わせず、逆に自分のプレーは間違っていないと激しく主張するグリーンは、一方的に彼へ言葉を吐き捨てていた。クレイ・トンプソンは口論がヒートアップするのをいち早く察し、あえて2人の間に座ってみせる。しかしスタッフやチームメートたちがなだめようとしても収集はつかず、結局延長戦の末、121-116で敗北した。
昨季のウォリアーズは3連覇がかかっていたシーズンであり、チームもより結束する必要があったことだろう。しかしデュラントは、「(皆は)見ないふりをしていたんだ。僕にとっては(チームは)家族だったし、たとえ彼があのような発言をしても、僕らなら乗り越えて前へ進めただろう」とつづる。「話し合いをしよう、あの時どんな気持ちを抱いたかについてきちんと言葉にしようって。なぜなら王朝の中でも極めて重要な瞬間だったからだ。僕らは勝ちたいのだから、あの出来事をなかったことにしてはいけない。きちんと向き合わなかったからこそ、僕らは優勝ができなかった」と、当時のチームの問題に関して触れた。
昨季のウォリアーズにとって、悲願の3連覇こそが過去5年間の王朝を華やかに飾る最後の目標だったことだろう。だが連覇を続けるにはモチベーションや健康体を維持し、仲間とも信頼関係を保つ必要がある。あの驚異的なウォリアーズでもこういったケミストリーに問題があったことを踏まえると、また改めて3連覇とは想像を絶する険しさがあるのだと感じさせる。
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