2020.03.16

NBAドラフト2021の1位候補、ケイド・カニンガムが高校年間最優秀選手賞を受賞

世代屈指のプレーヤーとして名を馳せるカニンガム[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 フロリダ州のモントバード・アカデミーに在籍するケイド・カニンガムが、高校生年間最優秀選手に贈られる2020年のネイスミス賞を受賞した。

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 ネイスミス賞は、バスケットボールの考案者ジェームス・ネイスミスの名にちなんで、年間ベストプレーヤーに授与される名誉ある賞である。高校生に贈られるネイスミス賞は、過去にクリス・ウェバー(元サクラメント・キングス他)や故コービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)らスーパースターたちも受賞しており、受賞者はその後の出世が有力視されてきた。

 ケイド・カニンガムは、テキサス州アーリントン生まれの18歳。身長201センチ、体重98キロという体格に恵まれたポイントガードで、世代屈指、否、Class of 2020のNo.1プレーヤーとして注目を集めている。

高校2年にして全米にその名を轟かせる

2018年のカニンガム[写真]=Getty Images


 地元ジェームズ・ボウイー高校でフレッシュマンのシーズンを過ごしたカニンガムは、高校1年生にして1試合平均15.2得点、6.4リバウンド、3アシストというスタッツを残し、4-6A地区の新人賞を受賞。翌年はケガに苦しむ時期もあったが、昨年のスタッツを更新し、同地区のMVP受賞とテキサス州バスケットボールコーチ協会のオールレジオンに選出され、その名を全米に轟かせるまでに成長を遂げた。

 そして、高校3年時に満を持して、全米No.1高校の呼び声高いモントバード・アカデミーに転校。同校での成績も去ることながら、アメリカ全土から優秀なプレーヤーが集結するナイキのエリート・ユース・バスケットボール・リーグ(EYBL)では1試合平均25.1得点、6.6リバウンド、5.2アシストという驚異的なスタッツを記録し、ここでもMVPを受賞。プレーヤー格付けサイトでは、『rivals』と『247Sports』で全米1位、『ESPN』で全米3位にランクインしており、その実力は折り紙付きだ。

名将の下で学び、プレーの完成度は超高校級

 気になるプレースタイルは、現代バスケに適したオールラウンダーである。強靭なフィジカルとボディバランスを駆使し、ドライブインからゴール下で得点を量産。しかし、外角やミドルレンジなどジャンプショットのバリエーションも豊富なため、マッチアップは困難を極める。同時に、ポイントガードとしてボールコントロールの職もこなし、ディフェンススキルも高く、時には豪快なブロックをお見舞い。完成度の高さは高校生の域を超えており、粒揃いのアメリカにおいてU19代表メンバーに飛び級で選出されるのも納得がいく。無論、彼が通うモントバード・アカデミーは、オールラウンダー製造機こと名将ケビン・ボイルがHCを務める学校。ディアンジェロ・ラッセル(ミネソタ・ティンバーウルブズ)、(ベン・シモンズ(フィラデルフィア・76ers)、RJ・バレット(ニューヨーク・ニックス)もまた彼の教え子である、と聞けば腑に落ちるのはないだろうか。

 大学からは計13校からオファーがあったとされ、その中にはデューク、ケンタッキー、ノースカロライナといった名門大学も名を連ねていた。しかし、カニンガムはこれら強豪校からのリクルーティングを蹴って、ビッグ12カンファレンスに所属し、近年はマーカス・スマートを輩出したことで知られるオクラホマ州立大学へ進学を決めている。これは筆者の推測であるが、オクラホマ州はテキサス州と隣接しているため、今回の決断はより地元に近い大学でのプレーを希望してのことなのではないだろうか。

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 早ければ、2021年のドラフトにも登場するケイド・カニンガム。NBAファンは今のうちからその動向と成長を見守ってみてはいかがだろうか。

文=Meiji

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