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1990年代に2度の3連覇を成し遂げたシカゴ・ブルズにおいて、6度の優勝すべてを経験しているのはマイケル・ジョーダンとスコッティ・ピペン(共に元ブルズほか)、フィル・ジャクソンHC(ヘッドコーチ)の3人のみ。
チームメートたちを震え上がらせるほどの強烈な個性でけん引したジョーダンは、練習や試合の中で一切妥協を許さず、チャンピオンチームへと引き上げるべく、時には容赦なく接することもあった。
その一方で、ピペンは温厚な人柄でチームメートから愛され、絶大な信頼を得ていたという。
5月15日(現地時間14日、日付は以下同)に『ESPN』へ掲載された記事の中で、ピペンと8シーズンをプレーしたウィル・パデューは「彼は最高のファミリーマンだった」と語れば、ブルズの後期3連覇のメンバーだったビル・ウェニントンも「ブルズで大好きなチームメート」とコメント。スティーブ・カー(いずれも元ブルズほか)も「彼はチームメート皆から愛されていたんだ」と話している。
先月公開された『ESPN』のザック・ロウ記者とのポッドキャスト“The Lowe Post”で、カーはピペンについてこのように語っていた。
「彼はマイケルを補佐するうえで完璧な存在だった。マイケルは一切妥協しない男だったからね。彼からの批判やテストに対して、私たちは毎日覚悟しなければならなかった。スコッティはそんな私たちへ腕を回し、『大丈夫だ』と言ってくれるような優しい男だったね」。
当時リーグ最多勝記録となった72勝10敗を挙げた95-96シーズンからブルズへ加入し、ディフェンスのスペシャリストとして活躍したランディ・ブラウン(元ブルズほか)には、チームのシステムであるトライアングル・オフェンスの重要性を説くべく、ピペンは「このシステムを学んで理解しないと、(ブルズでは)プレーできない。君がどんなことをチームに持ち込めるかは分かってる。でもフィルから信頼を得ないといけないんだ」と声をかけたという。
ポイントガードがチームをコントロールするのではなく、トライアングル・オフェンスを駆使して6度の優勝を飾ったブルズにおいて、ピペンはまるでオーケストラの指揮者のように、チームを動かすファシリテーター(推進役)という重要な役割を担ってきた。
リーダーのジョーダン、それを補佐するピペンという絶対的な存在がいたからこそ、ブルズの選手たちはレベルアップし、ケミストリーを醸成していくことができたのだろう。
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