2020.08.27

NBAとNBA選手会が日本時間8月27日に開催予定だったプレーオフ3試合の延期を発表

[写真]=Getty Images
NBA好きが高じて飲食業界から出版業界へ転職。その後バスケットボール雑誌の編集を経てフリーランスに。現在はNBAやBリーグのライターとして活動中。

 8月27日(現地時間26日、日付は以下同)。NBAとNBA選手会(NBPA)は、この日開催予定だった3試合の延期を発表した。

 この日予定されていたカードは、いずれもプレーオフ ファーストラウンドの第5戦。ミルウォーキー・バックス対オーランド・マジック、ヒューストン・ロケッツ対オクラホマシティ・サンダー、ロサンゼルス・レイカーズ対ポートランド・トレイルブレイザーズの3試合。

 だがバックスの選手たちは試合開始時間になってもコートに姿を現さず、第5戦に参加しないことを決断。マジックの選手たちはコートで練習していたが、バックスの発表を受けてマジックの選手たちもコートを後にした。

 この背景にあるのは人種差別問題。5月下旬にミネアポリスで黒人男性のジョージ・フロイド氏が白人警官から約8分にわたって首を押さえつけられ、「息ができない」と訴えながら命を落とした事件を機に、人種差別に対する抗議が全米規模へと発展。

 NBAは7月31日からフロリダ州オーランドで第二幕をスタートし、厳しい規制の中で新型コロナウイルスの感染拡大を防止してシーディングゲーム(順位決定戦)、そして現在はプレーオフを競い合っているのだが、バスケットボールよりも重要な問題に直面した。

 8月24日。ウィスコンシン州ケノーシャで、黒人男性のジェイコブ・ブレイク氏が警官によって背後から7回撃たれるという事件が発生。この事件を受けて、NBA選手やコーチたちが大きく反発。ここ数日というもの、試合前や試合後の会見などで選手やコーチたちがこの事件に抗議する姿勢を見せていた。

 シーズン再開後、NBAのコートには『BLACK LIVES MATTER』の文字を大きく掲出し、選手たちはユニフォームの背中にそれぞれが選んだ社会正義メッセージを背負ってプレーしており、黒人に対する差別や警官による暴力に抗議する姿勢をとっていただけに、依然として続く人種差別に対してボイコットという手段を選択。

 27日にNBAの選手たちはミーティングを行う予定となっており、今後について話し合うこととなる。

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