2020.09.13

第二幕で不振に終わったラプターズのパスカル・シアカム「僕には多くの責任がある」

セルティックスとのシリーズでも不調に終わったシアカム[写真]=Getty Images
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セルティックスとのシリーズで不発に終わり、悔しい思いをしたシアカムへバンブリートとラウリーがエールを送る

 9月12日(現地時間11日、日付は以下同)。ディフェンディング・チャンピオンとしてチーム一丸となって連覇を目指して戦っていたトロント・ラプターズは、ボストン・セルティックスとのイースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦に87-92で敗れてコートを去った。

「タフなゲームに負けてしまった。でも彼らが勝ったんだ。相手に敬意を表するよ。彼らはマイアミ(ヒート)と対戦し、チャンピオンシップを勝ち取るチャンスがあるということ」。

 昨季覇者ラプターズのリーダーとして攻防両面で重要な役割をこなしたカイル・ラウリーは、この試合終盤に6ファウルで退場したものの、16得点6リバウンド4アシストと最後まで戦い抜いた。

昨季覇者ラプターズはイースト準決勝で敗れた[写真]=Getty Images

 ラプターズではラウリーのほか、フレッド・バンブリートが20得点6アシスト2ブロック、サージ・イバカが14得点8リバウンド、パスカル・シアカムが13得点11リバウンド、ノーマン・パウエルが11得点を記録するも、セルティックスの前にシーズンを終えた。

「間違いない。僕はうまくならないと。この瞬間、ここで得た経験、チームメートたちを助けることができなかったこと、そこから学ばなければいけない。僕には多くの責任がある」。

 シリーズ終了後にそう打ち明けたのはシアカム。キャリア4年目の今季、カメルーン出身のフォワードはエースとしてシーズン中断まで平均23.6得点、フィールドゴール成功率45.9パーセント、3ポイント成功率35.9パーセントを残し、オールスターにも初出場していた。

 ところがシーディングゲーム(順位決定戦)では平均16.9得点、フィールドゴール成功率39.4パーセントへとダウン。3ポイント成功率こそ35.6パーセントを残したものの、プレーオフという大一番に入って復調できず。

 セルティックスとのシリーズではジェイレン・ブラウンを中心とするディフェンスに苦しみ、平均14.9得点、フィールドゴール成功率38.2パーセント、3ポイントに至ってはプレーオフのシリーズで30本以上放った選手としては歴代ワーストとなる成功率12.5パーセント(4/32)だったと『ESPN Stats & Information』が報じている。

 とはいえ、シアカムはこのシリーズでバンブリート(平均42.4分)、ラウリー(同42.0分)に次ぐチーム3位の平均40.7分もの間コートに立ち、ハードワークを遂行してディフェンス面でも激しくプレーしてきた。

セルティックスが敷いてきたディフェンスの前に苦しんだシアカム[写真]=Getty Images

 ラプターズで共に成長してきたバンブリートは「俺は彼のことを誇りに思うし、大好きだ。俺の兄弟でもあるんだ。もし戦いに行くのであれば、俺はどんな日であろうと彼と行く。確かに、彼はこのシリーズで本来のプレー、やりたいプレーができていなかった。でも彼が見せた努力、激しさは見事だった。非難することもないし、悪いチームメートだなんてことは絶対にない」と語り、こう続けた。

「彼はただやり続けた。でもそれがうまくいかなかったということ。これも旅路の一部だ。誰だって浮き沈みがある。運が悪いことに、彼はそれがここで起きたということ。でも(不調になることは)誰だって起こり得るのさ」。

 そしてチーム最古参で、キャリア14年目のラウリーはシアカムについてこんな言葉を残している。

「彼が何もかも間違っていたとは思わない。これは彼にとって学ぶという経験になる。この経験が彼をより良いバスケットボールプレーヤー、良い人間にして、すべてを向上させると俺は思ってる。だから彼がさらにハングリーになって戻り、人々をたたきつぶすことになったとしても驚かないね」。

 26歳のシアカムに訪れた試練。だがハードワークを身上とするフォワードは、この経験を糧にまた一回り大きくなってコートへ帰ってくると期待したい。

今年のプレーオフで味わった苦い経験を糧に、シアカムは成長することができるか?[写真]=Getty Images

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