2021.06.17
5月24日(現地時間23日、日付は以下同)に迎えたNBAプレーオフ2日目。共に久々のポストシーズン進出となったニューヨ―ク・ニックスとアトランタ・ホークスによるファーストラウンド初戦が、ニックスのホーム、マディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行なわれた。
1万5047人が詰めかけた会場はもちろん、ホームのニックスの選手たちを後押しする声援を送り、ニックスは最大11点ビハインドを跳ねのけて、最終クォーターも両チームによる激しい戦いが繰り広げられた。
互いに譲らぬ展開の中、残り10.2秒にデリック・ローズのフローターでニックスが105-105の同点に追いつくと、ホークスはタイムアウトをコール。最後のポゼッションを、エースのトレイ・ヤングへ託したのである。
「彼ならきっとこういう瞬間を夢見ていたはずだ。MSGのゲームで同点、しかも試合に勝利する機会を得たんだから。そういう時は自分でプレーを決め切らなきゃならない。『勝ちに行くぞ、これは君のチームなんだ。ほかの若手たちと同様に、このフランチャイズは君の力にかかっている。お前はポイント・ゴッドだ。さぁ勝ちに行くぞ』ってやつさ」。
今季途中にロサンゼルス・クリッパーズからホークスへ加入し、ヤングのバックアップを務めるルー・ウィリアムズは試合後にそう振り返り、タイムアウト中に「パスするな」とヤングへ助言。そしてヤングはペイントエリアへ侵入し、残り0.9秒に決勝弾となるフローターをヒット。
ヤングは「あのフローターを決めたことで、会場の皆が静まり返っていたと感じたよ。僕を挑発するようなチャントをまたしてくると期待していたんだけどね。もうワクワクしていたよ」と振り返り、熱狂的なファンが集まるMSGで、ヤングは新たな難敵として立ちはだかった。
この試合、ヤングはいずれもゲームハイとなる32得点10アシストに7リバウンド、ボグダン・ボグダノビッチが18得点、ウィリアムズが13得点、ジョン・コリンズが12得点7リバウンド2ブロック、クリント・カペラが9得点13リバウンド2ブロックを記録。
『Elias Sports Bureau』によると、ヤングはNBAプレーオフのデビュー戦で30得点5リバウンド10アシスト以上をたたき出したことで、レブロン・ジェームズ(現ロサンゼルス・レイカーズ)に次ぐ史上2人目の選手となり、直近25年間でドウェイン・ウェイド(元マイアミ・ヒートほか)に次いで、デビュー戦ながら残り10秒を切った時点から決勝弾を沈めた選手に。
ヤングはウィリアムズをはじめとするベテラン陣がいることについてこう話している。
「最高なのは、ルーのような年上の選手たちがこのチームにいること。僕はスマートであり、ボールを持った時でもすごくスマートな選手だと思っている。いろんなことも知っているからね。だけど、まだまだ分かっていないことも多い。ルーはいろんなことを教えてくれるんだ」。
プレーオフデビュー戦で強烈なインパクトを残したヤングは「僕のことをすごく嫌うなら、それはきっと僕が正しいことをしているということ。それを喜んで受け止めるし、これからもこのチームにフォーカスし、勝利を助けられるようにトライしていく」と自信をのぞかせていた。
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