2021.08.30
今夏フリーエージェント(FA)となってロサンゼルス・レイカーズへ移籍したカーメロ・アンソニーは、今からほんの2年前、NBAキャリアが危うい状況に直面していた。
2018-19シーズン。カーメロはヒューストン・ロケッツへ移籍し、ジェームズ・ハーデン(現ブルックリン・ネッツ)、クリス・ポール(現フェニックス・サンズ)とプレーしたものの、チームにフィットできず、19年1月にシカゴ・ブルズへトレードされたのちにウェイブ。
ロケッツの一員として18年11月9日(現地時間8日、日付は以下同)のオクラホマシティ・サンダー戦へ出場してからというもの、無所属の状態が事実上約1年間も続いていた。
その後19年11月中旬にポートランド・トレイルブレイザーズと契約すると、先発パワーフォワードとして平均15.4得点6.3リバウンド1.5アシストをマーク。シーディングゲーム(順位決定戦)で好戦績を残すと、メンフィス・グリズリーズとのプレーイン・ゲームを制してプレーオフ進出に貢献。
昨季はブレイザーズでシックスマンとしての役割を受け入れ、平均13.4得点3.1リバウンド1.5アシストにキャリアハイとなる3ポイント成功率40.9パーセントを残し、平均1.9本を沈める活躍を見せていた。
8月20日にYouTubeへ公開されたポッドキャスト番組「ALL THE SMOKE」へ出演した際、カーメロはブレイザーズでデイミアン・リラードやCJ・マッカラムらと共闘して過ごした時間をこのように振り返っていた。
「ポートランドは本当に信頼できた。彼らは俺をすぐにプレーさせてくれた。その当時、俺が最も欲していたことはプレーすることだったんだ。俺はバスケットボールを愛していて、コートに立ちたかった。そこで俺はデイム(リラードの愛称)、CJとプレーし、彼らは歓迎してくれたんだ。ポートランドという街もそうだし、あの組織も腕を広げて受け入れてくれたから、自分が持つ全てを持ち込もうと思ったのさ」。
ブレイザーズは直近2シーズンでプレーオフこそ進出するも、いずれもファーストラウンド敗退。昨季終了後にはテリー・ストッツ前HC(ヘッドコーチ)が解任され、新たにチャウンシー・ビラップス(元デトロイト・ピストンズほか)が後任として就任しており、カーメロとブレイザーズは別々の道を歩むこととなった。
リラードとプレーした期間は実質2シーズンだったものの、カーメロはリーグ屈指のスコアリングガードへ感謝の思いを口にしていた。
「デイムは本物だ。彼はいつも『俺たちは誰がなんと言おうと気にしない。あなたがプレーできると分かっている。俺もそう思っているし、これまでもずっと見てきた』という感じで接してくれたんだ。そういうヤツがいてくれると、一緒にプレーしていて最高だし、ああいう状況をだいぶ楽にしてくれるんだ」。
今季、カーメロとブレイザーズはウェスタン・カンファレンスの敵として対決することとなる。コート上では勝利すべくハードにプレーするだろうが、コートから離れればリスペクトの思いを前面に出し、互いの健闘を称え合うことだろう。
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