2021.08.25

「俺はデンバーを離れたくはなかった…」。カーメロが‟メロドラマ”の真相を語る

ナゲッツに約8シーズン在籍していたカーメロ[写真]=Getty Images
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「どこにも行きたくはなかった。けど再建しようとするならば、俺としてはどこか他の場所へ行く時だったということ」

 今季でNBAキャリア19シーズン目を迎える大ベテラン、カーメロ・アンソニーにとって、これまで最も長く在籍したチームはデンバー・ナゲッツだった。

 2003年のドラフト1巡目全体3位でナゲッツから指名されたフォワードは、先発スモールフォワードとして平均21.0得点6.1リバウンド2.8アシスト1.2スティールを残し、ルーキーシーズンにチームのトップスコアラーとなってプレーオフ進出に大きく貢献。

 その後もナゲッツをプレーオフへと導き、10-11シーズン途中までの計8シーズンのうち、アレン・アイバーソン(元フィラデルフィア・セブンティシクサーズほか)と共闘した07-08シーズンを除く計7シーズンでチームトップの平均得点をたたき出した。

 カーメロは得意のジャブステップから繰り出すプルアップジャンパーやドライブ、ポストプレーから得点を量産。勝負どころでは無類の強さを発揮し、相手ディフェンダーをあざ笑うかのように次々とショットを放り込んで多くの勝利をもたらした。

 ところが、ナゲッツとの再契約に暗雲が立ち込め、10-11シーズンはカーメロの去就が注目を浴び、‟メロドラマ”という造語が生まれて世界中を駆け巡ることに。そして11年2月23日(現地時間22日、日付は以下同)に3チーム間の大型トレードでニューヨーク・ニックスへ移籍し、ナゲッツと決別することに。

 今年8月21日にYouTubeへ公開された人気ポッドキャスト番組「ALL THE SMOKE」へ出演したカーメロは、MCを務めるスティーブン・ジャクソン(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)、マット・バーンズ(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)と共に当時についてこう明かしていた。

「皆が信じていたこととは裏腹に、俺はデンバーを離れたくはなかった。誰かにそう言ったこともない。俺はあそこを離れたいと思ったことはない。でも世間が俺を窮地へ追い込んでいったんだ」。

ナゲッツで長年トップスコアラーとして活躍していたカーメロ[写真]=Getty Images

 ニューヨーク州ブルックリン生まれのカーメロにとって、ニックスは願ってもないホームチーム。新たなホームアリーナとなったマディソン・スクエア・ガーデンでも、カーメロはリーグ有数のスコアラーとして躍動した。

 だがニックスに在籍した約7シーズンで、プレーオフに出場したのは3度のみ。13年こそカンファレンス・セミファイナル進出を果たしたものの、そのほかはいずれもファーストラウンドで姿を消していたのである。

 ナゲッツでは09年にカンファレンス・ファイナルまで勝ち進んでおり、ロサンゼルス・レイカーズの前に2勝4敗で敗れたとはいえ、NBAファイナルまであと2勝に迫っていた。

 当時について、カーメロは「俺たちは2009年にウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで駒を進めていた。じゃあどうすべきかって? そのチームをベースに作り上げていくべきだ。そのチームに新たな選手を加えていくべきなんだ」と振り返り、その後ナゲッツに対する不信感が高まっていったと話している。

「あのチームはダンテイ・ジョーンズ(元メンフィス・グリズリーズほか)を追い出した。あのチームで、ダンテイはカギを握る選手だったんだ。それに、彼らはチャウンシー(ビラップス/元デトロイト・ピストンズほか)との再契約もしなかった。JR.(スミス/現無所属)、K-Mart(ケニョン・マーティン/元ニュージャージー・ネッツほか)もトレードしようとした。つまり、あのチームがウェスタン・カンファレンス・ファイナルへ進んだ後、俺は再建に関わりたくはないと感じたのさ」。

 そしてカーメロは「どこにも行きたくはなかった。けど再建しようとするならば、俺としてはどこか他の場所へ行く時だったということ」と‟メロドラマ”の真相について締めくくっていた。

2009年にウェスト決勝まで勝ち上がったナゲッツの選手たち[写真]=Getty Images

 09年にウェスト決勝まで勝ち進んだナゲッツだったが、翌10年のプレーオフではユタ・ジャズの前に6戦で敗れてファーストラウンド敗退。戦力をキープしていれば10年のプレーオフでも勝ち上がることができたのかは分からないが、カーメロとしては同じ布陣でチャンピオンシップ獲得を目指したかったということなのだろう。

 カーメロは今夏、ロサンゼルス・レイカーズへ移籍し、ドラフト同期のレブロン・ジェームズとプレーすることを決断。悲願の王座を獲得すべく、キャリア最終章へ臨むこととなる。

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