2021.09.08

マブスのオーナーが明かした結成まであと一歩に迫った‟幻のビッグ3”とは?

マブス(左/写真はノビツキーとキッド)がピアース(右)を獲得するトレードが成立寸前だったことが発覚[写真]=Getty Images
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 9月7日。『Sports Illustrated』へ、レジェンドのポール・ピアース(元ボストン・セルティックスほか)のインタビューが掲載された。

 NBAで計19シーズンを戦い抜き、2008年にはセルティックスへ通算17度目の優勝をもたらした男は、キャリア平均19.7得点5.6リバウンド3.5アシスト1.3スティールを残し、憎たらしいほどの勝負強さで勝利を呼び込んできた。

 そのピアースは今年バスケットボール殿堂入りすることが決まっており、12日(現地時間11日、日付は以下同)にマサチューセッツ州スプリングフィールドで開催される式典にも出席するのだが、このインタビューでダラス・マーベリックスへ移籍していた可能性があったことを明かしている。

 ピアース擁するセルティックスは、02年から05年にかけて4年連続でプレーオフへ進出したものの、05-06シーズンに33勝49敗、翌06-07シーズンには24勝58敗と大きく負け越してしまい、ボストンから出たがっていた。

 そこで07年4月にラスベガスでマブスのオーナー、マーク・キューバンとばったり会った際に「私があのチームに欠けているピースです」とマブスへ移籍することを希望。そこで代理人のジェフ・シュワルツへ、マブスへのトレードをプッシュしていたという。

「当時の俺は全盛期にあり、プレーオフで彼らを見ていた。気がめいるものだった。俺は(ボストンから)出たいと思っていた。あそこでのキャリアは終わったと思っていたんだ」とピアースが振り返る。

 もっとも、セルティックスは07年夏に大型トレードでレイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか)、さらにはケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)を獲得してビッグ3を形成。見違えるような布陣となったセルティックスは、翌07-08シーズンに優勝を成し遂げ、結局ピアースがマブス入りすることはなかった。

ビッグ3が形成されても、エースはピアースが務めていた[写真]=Getty Images

 すると8日になって『Clutch Points』がこの件を報じると、キューバン自らがツイッターでリアクションを見せた。

「我々は取引が成立した。3チーム間のトレードが成立したんだ。全てのチームがね。だがそこでトレードコールをしようとしたとき、(マブス、セルティックスに次ぐ)3番目のチームが破談にした。彼らは(ドラフト)1巡目指名権がボストン行きになることを知らなかったんだ」。

 キューバンはこのトレードは「2008年以降のこと」と補足していたものの、あと一歩のところでピアース獲得を逃していた過去があったと告白。当時マブスにはダーク・ノビツキー(元マブス)とジェイソン・キッド(元マブスほか/現マブスHC)がおり、ダラスに新たなビッグ3が形成されていた可能性が十分あったという。

 マブスがノビツキーを中心にフランチャイズ史上初優勝を達成したのは2011年。もしピアースを獲得していれば、ノビツキー&ピアースという殿堂入り確実と断言できる超強力なスコアラーを2人も擁し、NBA史上屈指の司令塔(キッド)が操るという恐ろしい布陣が実現していただけに、もしかするともう少し早く優勝していたかもしれない。

 もしそれが実現していれば、ピアースは2度目の優勝を勝ち取っていた可能性があっただけに、興味深いエピソードと言っていいはずだ。

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