2021.09.13

シモンズの言動に御意見番シャックが喝「フェラーリの写真を投稿している場合じゃない」

渦中のベン・シモンズに対し、シャックが辛口なコメントを発信した[写真]=Getty Images
某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 開幕を目前に控え、概ね各球団の方向性は定まったように思える。残すトピックといえば、噂が錯綜するベン・シモンズの去就だろう。

 2016年のドラフト1位は、現所属のフィラデルフィア・セブンティシクサーズとの間に、修復不可能なほど深い亀裂が入っている。プレーオフ敗退後、ヘッドコーチのドック・リバースは、記者からの「シモンズで優勝を目指せるか」という質問に対して「今は分からない」と返答。この際にリバースHCがシモンズを擁護しなかったことこそ、シモンズが移籍を要求している最大の要因と言われている。

 まもなく新シーズン開幕に向けたトレーニングキャンプが開始されるが、シモンズは1億円超の罰金を支払ってまででもチームとの合流を拒否する姿勢を見せており、シクサーズのフロントは他球団との交渉に追われている。

シモンズは昨シーズンのプレーオフにおいて、フリースロー精度の低さを対戦相手から徹底的に狙われた[写真]=Getty Images


 この話題でどちらを悪者と見るかは意見が分かれるところ。だが、NBAの御意見番シャキール・オニールは、シモンズの対応を芳しく思っていないようだ。

 シャックは自身のPodcast『The Big Podcast with Shaq』に投稿した9月9日付けのエピソードで、シモンズの言動を厳しく非難した。

ベン・シモンズよ、君は大したことない。このリーグでいい選手、または素晴らしい選手になりたいのか? 君は偉大じゃないんだ。もし次のレベルに行きたいなら、偉大になる努力をしなくてはならない。偉大になりたければ、試合と向き合う必要がある」

「インスタグラムに自分のフェラーリや女優と遊んでいる様子を投稿している場合じゃない。フィラデルフィア、ボストン、ロサンゼルス、マイアミのようなハードワークが求められる街でプレーしている奴らはそんなことしていないぞ。彼らはハードな練習をこなし、一所懸命にプレーしている」

 移籍騒動の険しさとは裏腹に、SNSでのクルマ自慢が目立つシモンズに対して、ラッパー顔負けの強烈なパンチラインを浴びせたシャック。また、同エピソードに出演したチャールズ・バークレーもシモンズの肩を持つことはできなかった。

「俺もベン・シモンズには失望したね。くだらないバスケットボールをするために、2億ドルを渡したとしよう。そして、選手としての成長だけを求めたのに、彼の最初の返答が『もうここではプレーしたくありません』だったら、選手としてもファンとしてもがっかりだよ。彼らは『ここに来て、草刈りをしてくれ』と言っているわけではない。彼らは『シュートの仕方を学んでくれ』と言っているんだ」
 
 一方で、シャックはプレーオフでの消極的な姿勢についても言及。ただ、最後は先輩らしく、未来ある選手の背中を強く押した。

「俺はゲーム6の会場にいたが、あの男はバスケットさえ見てなかった。俺はまず選手の目を見るようにしている。あいつは怯えていた。プレーするのが怖いのではなく、ファウルをもらい、フリースローを外すことを恐れていた。そんなことは忘れてしまえばいいんだ」

 シモンズは毎年、シーズン前の練習では試合での姿が嘘かのようにシュートが決まっている。次世代のスター候補という重圧なのだろう、課題はメンタル面の強化にあるという見解が強い。

 その場合、まずは気持ちよくバスケットボールができる環境作りが先決。今シーズンのオフの終着点が新天地への移籍なのか、シクサーズとの和解になるのか。いまだ状況は不透明なため、しばらくは現地の情報を追いかけていく必要がありそうだ。

文=Meiji

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