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12月21日(現地時間20日、日付は以下同)。USAバスケットボールは男子アメリカ代表の新ヘッドコーチ(HC)として、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCが就任したことを正式に発表した。
ウォリアーズの指揮官として今季で8シーズン目を迎えたカーHCは、ステフィン・カリーやドレイモンド・グリーンらを擁して3度のNBAチャンピオン、5度のNBAファイナル進出を飾っており、素晴らしい実績を残している。
2023年のFIBAワールドカップ、翌24年のパリ・オリンピックでアメリカ代表の指揮を執ることになるカーHCは、今夏の東京オリンピックまで、グレッグ・ポポヴィッチ前HC(サンアントニオ・スパーズ)の下でアシスタントコーチ(AC)を務めており、国際試合も経験してきた。
21日に行なわれた会見の中で、カーHCはポップことポポヴィッチ前HCのことを「長い間、私のメンター(助言者)であり続けています」と語り、こう続けていた。
「彼の下で4シーズンをプレーしてきました。それにここ7、8年で彼と一緒に取り組む機会があり、彼から知識を借りてきました。ゲームのことだけでなく、人として、カルチャーについても多くを学んできました。そう、我々がここゴールデンステイトでやっていることの多くは、ポップから学んできたことがベースになっています」。
カーの現役時代といえば、シカゴ・ブルズでマイケル・ジョーダンやスコッティ・ピペン、トニー・クーコッチ(いずれも元ブルズほか)、デニス・ロドマン(元デトロイト・ピストンズほか)といった殿堂入り選手たちと共に1996年から98年にかけて3連覇を成し遂げたことが印象的だ。
だが97-98シーズンに“ラストダンス”を終えると、カーはポポヴィッチHCが指揮を執るスパーズでバックアップのポイントガードとして計4シーズンをプレーしており、99、03年にNBAチャンピオンを経験。現役最後となった03年のプレーオフでは、ダラス・マーベリックスとのカンファレンス・ファイナル第6戦で3ポイント4本成功の12得点に2リバウンド3アシストの活躍で勝利に大きく貢献した。
「彼が教えてくれたこと、それは自分自身でいなければならない、ということです。他の誰かになろうとしてはいけない。自分自身であれ、というものです。本物の自分でいる限り、これまでに学んできたことを今こうして実行へ移せるというものです」。
カーHCはポポヴィッチ前HCから教わったこととしてそう話しており、両者には信頼関係があることをうかがわせた。
ポポヴィッチHCは今季でスパーズ一筋約26シーズン、カーHCはウォリアーズで8シーズン目を迎えており、それぞれコーチとして申し分ない実績を残している。
前者はスパーズを5度のNBA優勝へと導き、レギュラーシーズン通算1322勝(671敗)でNBA歴代3位。1位のドン・ネルソン(1335勝)まで着実に近づいており、今季中に歴代トップの座に立つことも十分可能だ。後者はレギュラーシーズン通算勝率(69.4パーセント)でNBA歴代3位、プレーオフ(73.3パーセント)では堂々トップの勝率を保持している。
ポポヴィッチ前HCからアメリカ代表の指揮官の座を受け継いだカーHCには、FIBAワールドカップで14年以来の金メダル、オリンピックでは5連覇が求められているだけに、とてつもないプレッシャーがかかることは想像に難くない。
それでも、恩師でありメンターから教わったことを実戦し、是非ともトップを目指して突き進んでほしいところだ。