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引退後は持ち前のエンターテイメント性を生かし、コメンテーターをはじめ多岐にわたって活動するシャキール・オニール。そのひとつに、人生最大の醍醐味である“食文化”を発展させるオーナーシップが挙げられる。
意外にもシャックの純資産の多くはバスケットボールではなく、フランチャイズレストランの所有権に由来する。『FranchiseWire』によると、日本国内でも一大ブームを巻き起こした『クリスピー・クリーム・ドーナツ』のほか、プレッツェルチェーンの『アンティ・アンズ』、宅配ピザの『パパ・ジョンズ・ピザ』など、シャックは「気に入ったものにしか投資しない」というビジネススタイルを貫き、様々なフードビジネスをサポートしているという。
そんな“Foodie”のシャックが、過半数のオーナーシップを所有するサンドイッチショップ『ビッグ・チキン』のビジネスに本腰を入れ、テキサス州ヒューストン、オースティン、ダラス、サンアントニオに進出し、新たに50店舗をオープンする計画を発表した。
『ビッグ・チキン』は、大ぶりでインパクト抜群のフライドチキンを挟んだチキンサンドが売りのファーストフードショップだ。これまではロサンゼルス、ラスベガスの2店舗とシアトルおよびニューヨークのアリーナに入るテナントのみで、シャックらしからぬコンパクトで試験的な展開に止まっていたが、遂に全米展開を高らかに宣言した。
『ビッグ・チキン』のCEOを務めるジョシュ・ハルパーンは、『KSAT』の取材に応じ、オニールとの取り組みについて以下のように語っている。
「サンアントニオのマーケットに参入することに、大きな興奮を抱いています。シャキールは、この地に深い個人的なコネクションがあり、彼もまた、サンアントニオでの展開を心待ちにしています」
「シャキール、そして彼のフライドチキンへ対する愛情をマーケットと結びつける手段は、極めて重要であると感じています。彼はエグゼクティブ・シェフとともに積極的にレシピ開発を行っており、各メニューには彼の人生とユニークな関係性があります」
シャックとテキサスと聞いて、その親和性を即答できる人は相当なバスケフリークだろう。というのも、シャックはNBAキャリアを通じて、テキサスのプロ球団でプレーしたことは一度もないからだ。しかし、史上屈指の重戦車は高校時代、サンアントニオのロバート・G・コール高校に在籍。しかも68勝1敗という驚異的な成績を残しており、シャックは4年次に州選手権優勝に貢献した。1989年に打ち立てた1シーズン791リバウンドという州記録は、未だに塗り替えられていない。
そして、ハルパーンが述べたように『ビッグ・チキン』のメニューにはシャックとゆかりがある名前が付けられている。定番メニューのサンドイッチには“M.D.E.(Most Dominant Ever.=史上最も支配的の頭文字)”、“ビッグ・アリストテレス”、“シャックアタック”など歴代ニックネームをチョイス。また、“アメリカの味”とも言えるマカロニ・アンド・チーズは母のルシールの名前を冠したほか、このマック&チーズを豪快に挟んだ限定メニューのサンドイッチは、オフコートの盟友であるチャールズ・バークレーの名前が振り当てられている。
なお、『ビッグ・チキン』は今後、オクラホマ、シカゴ、アリゾナへの進出のほか、ロサンゼルスでの広域展開を検討しているという。シャックお墨付きのチキンサンド。渡米の際には一度、かぶりついてみたいものだ。
文=Meiji
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