2022.04.11

古巣を破りファイナルへ臨む三好南穂「最後だと意識しすぎないで…」/WリーグPO

第2戦で14得点5リバウンドを挙げ、勝利に大きく貢献した三好[写真]=W LEAGUE
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 4月10日、国立代々木競技場第二体育館(東京都)で、第23回Wリーグプレーオフのセミファイナルが行われ、トヨタ自動車アンテロープス(レギュラーシーズン2位)はシャンソン化粧品シャンソンVマジック(同6位)と対戦した。

 前日に行われた第1戦に80-57で勝利したトヨタ自動車は、19-15の接戦で第1クォーターを終えるも、続く第2クォーターで2ケタのリードに広げ、最後は83-63で勝利。2年連続でのファイナル進出を決めた。

 前半に14得点を挙げてリードを奪う原動力となった三好南穂は「この2日間通じて、シャンソンは試合の出だしで得点を取ってきていたんですけど、そこをしっかり自分たちのディフェンスやリバウンドで少なく抑えることができたのは良かったなと思います」と試合後の会見で振り返った。

 さらに、「リバウンドの面で相手を圧倒できたことにより、自分たちのシュートチャンスを何回も作れて得点につながりました。やっぱりリバウンドを取るチームが勝つと思いますし、そこが自分たちの強みでもあるので、ファイナルでも継続したいです」と語った。第1戦では18本差、第2戦でも17本差とチームのリバウンド数ではシャンソンに大きく差をつけた。

 3月30日に現役引退を表明した三好は、自身最後のプレーオフに臨んでいる。その三好のキャリアはシャンソンでスタートし、その後5シーズンを過ごした。「自分の最後の舞台で古巣のシャンソンと対戦できたのは運命なのかなって思いました」。

「私がいたときとは全く別のチームではあるんですけど、早くておもしろいバスケットをするチーム」と古巣の印象を語った三好はそのシャンソンを破り、選手としてのキャリアをファイナルの舞台で終える権利をつかんだ。

Wリーグではシーズンが終わる前に引退を発表するのは少ないかなと思うんですけど、自分はリーグ優勝だったり、オリンピックなどいろんな経験をさせてもらって、たくさんの人に応援してもらえたバスケット人生だったので、『あれが最後だったんだ』というよりは、引退を伝えて皆さんにその最後の日を見てもらえたらなという思いで発表させてもらいました」

 引退発表後はこれまで以上にファンからの応援を感じているという三好は、「すごくうれしく思います」と笑顔で話す。最後に三好は、キャリアを締めくくるファイナルでの戦いに向けて心境を語った。

「しょうがないことではあるんですけど、やっぱり最後だから『勝ちたい』と肩に力が入ってしまうので、リラックスして最後だと意識しすぎないで、いつも通りやるっていうのがすごい大事なのかなと思います」

 富士通レッドウェーブとのファイナルは、16日から国立代々木第一体育館で開催される。