2022.09.09

ルカ・ドンチッチ最大の敵はまさかの実母? 商標権を巡って法的書類を提出

実母と商標権を巡って争っていると報じられたドンチッチ[写真]=Getty Images

 NBAでのキャリア4年目を終えたルカ・ドンチッチダラス・マーベリックス)。類稀なコートビジョンと独特のリズムを生かし、名手たちを手玉に取ってきた。昨シーズンは全65試合のうち、20得点を下回ったのはわずか7試合のみで、1対1に限定すると彼に敵う選手はコート上に存在しないのではないだろうか。

 しかし、そのドンチッチにも一筋縄ではいかない相手がいるようだ。リーグに精通するマーク・スタイン記者によると、ドンチッチは自身の名前を使用した商標権を巡り、実母と法的バトルを繰り広げているという。

 ドンチッチの窓口を務めるブラウン・ラドニック法律事務所は、彼の母親ミリャム・ポータービンが所有する商標「LUKA DONCIC 7」の登録を取り消すよう、USPTO(米国特許商標庁)に嘆願書を提出したと発表。その理由は、自身のビジネスや慈善活動をより発展させるためであり、同選手は個人名に関連するブランドの完全な所有権を求めている。

 ドンチッチはスタインから本件へ対するコメントを求められると、以下のように答えたという。

「僕は選手として、そして人として成長し続けることを楽しんでいます。そのためには自分のブランドを管理し、コミュニティへの恩返しに注力することが重要です」

 ドンチッチは2020-21シーズン開幕前、自身の新たなロゴを発表。イニシャルの「L」と「D」、背番号の「77」、母国スロベニアの頭文字「S」を組み合わせたこのロゴは、3度のオールスターのアイコンとして認知され、同選手とNBA 2Kが共同で改装した故郷のバスケットコートのセンターサークルにも配置されている。


 ドンチッチは「LUKA DONCIC」を個人の商標にするべく登録を申請したものの、実母が所有する「LUKA DONCIC 7」の商標が障壁となり、USPTOから申し出を棄却されてしまったという。

 当時19歳だったドンチッチは、彼のフルネームの商標登録を母親に許可していた。しかし、先述の理由からポータービンが所有する商標の管理権を譲渡するよう何度も交渉を試みたそうだが、母親は息子からのお願いに聞く耳を持たず。結果として運営会社の「Luka99 Inc.」より、正式な法的書類が提出される運びとなったようだ。

 驚くべきことに、「LD77」ブランドの所有・販売およびウェブサイト『lukadoncic.com』の運営企業に、ドンチッチ本人は一切関与していないという。スロベニアの公的記録によれば、この会社はドンチッチの母親とディレクターのボリス・ボジェグが共同経営しているようだ。また、スタイン記者は2021年にダラスで設立した慈善団体「ルカ・ドンチッチ財団」は、スロベニアで同名を使用する財団とも何一つ関係がないと報じている。

 ドンチッチは、母親が所有する競合商標のため自身の名前を使用する明確な権利を保持できない。商標権の異議申し立ては彼の氏名、ブランド、慈善団体およびビジネス業務をコントロールするうえで必要不可欠な行為だった。

 読者の中にはドンチッチとポータービンが仲睦まじく肩を組む写真を見たことがある人も少なくないことだろう。親と子の関係だけに、泥沼化しないことを祈るばかりだ。

 文=Meiji

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